社内報とは?初めてでもできる作成の流れと読まれるネタ30選
社内報とは、企業内での情報共有やコミュニケーション促進を目的とする社内向けメディアのことです。
社内報を通じて、経営方針や人事異動、社員紹介などの情報を、全従業員に共有できます。近年では、コミュニケーションツールとしても、活用されています。
この記事では、
「社内報を作りたいけど、何から始めたらいいのか、わからない」
という方のために、社内報の基本的な知識や作り方の流れ、必要ツールなどを詳しく解説します。
とくに注目しておきたいのは、社内報は紙ベースからデジタルに移行している点です。“社内報テック”という新しいツールが誕生しています。
【社内報テックの例】
社内報テックを活用すると、制作作業の効率化、データに基づく改善、いいねやコメント機能を通じたコミュニケーション促進まで、まとめて実現できます。
新たな社内報のポテンシャルについても学び、成果を出せる戦略的な社内報づくりを目指していきましょう。
【目次】
1. 社内報とは?目的とメリット
最初に、社内報は何のために作るのか、どのようなメリットがあるのか、確認しておきましょう。
1-1. 組織内の「知らない」を解決する社内報
社内報の目的を、シンプルに一言でいえば「知らせる」ためです。
情報を均一的に全従業員に届けることで、経営者陣・部署・従業員ごとに偏った知識や情報の差を埋め、コミュニケーションを最適化する点に、社内報の本質的な存在意義があります。
これは重要なポイントですが、組織問題の多くは「知らない」が原因です。
【「知らない」の例】
- ・社長が今考えていることを従業員が知らない
- ・経営陣の現在の事業優先順位を知らない
- ・会社が方針変更したことやその背景を知らない
- ・組織変更の意図を知らない
- ・上司の気持ちを知らない
- ・部下の気持ちを知らない
- ・他部署が抱える苦労を知らない
経営者、役員、管理職、従業員、ベテラン、若手……と、さまざまな視座によって、知識・情報の量や質の差が大きくなると、スムーズにわかり合えなくなります。
それぞれの解釈や理解の前提となるマインドセットが、異なるためです。
組織内に発生する不満や不和、ストレスや違和感は、前提として持っている「知識や情報の差」を社内報で埋めることで解決できるのです。
1-2. 従業員が増えていく過程で社内報は必要となる
従業員数が少ないうちは意識しなくても、同じ空間で仕事をしているだけで、自然と情報共有できていることが多いでしょう。
ところが、従業員が増えると、徐々に“すれ違い”が増えていきます。
多くの経営者は、解決策として、直接的なコミュニケーションを増やそうとします。たとえば、面談やランチミーティング、懇親会の開催などです。
こういった解決策には、次の2つの問題点があります。
- ・経営者や管理職など社内エグゼクティブのリソースを、多く割く必要がある
- ・従業員によってコミュニケーションレベルにバラつきが出て、均一化が図りにくい
これらの問題を解決するために重要な役割を果たすのが.「社内報」です。
1-3. 社内報を作ることで期待できる7つのメリット
社内報を作ることで期待できるメリットを、端的にまとめると、以下のとおりです。
- 均一的に全従業員に同じ情報を届けられる
社内報を通じて、全従業員にまったく同じ情報を同時に届けられます。情報の取捨選択や伝達時のゆがみが起きないため、均一的な情報共有が可能です。
- “言った言わない問題”が起きない
社内報に掲載された情報は記録として残ります。情報共有に関する“言った言わない問題”の発生を防げます。
- 経営者が従業員に意図する情報を提供できる
社内報には、経営者が従業員に提供したい情報を、戦略的に検討したうえで掲載できます。たとえば、経営方針、事業展開、業績などの情報を、意図どおりに提供できます。
- 時間とコストを削減できる
社内報により、経営者や管理職が従業員に直接情報を提供する必要性が少なくなります。時間とコストを節約できます。
- 会社と従業員の関係性が向上する
情報公開や経営陣が持つ情報の透明化は、会社と従業員の関係向上に役立ちます。「お互いの無知が原因で起きていた問題や誤解」が解消され、従業員の納得感が増すためです。
- 従業員間のコミュニケーションが促進される
社内報には、従業員のインタビューや社内イベントの紹介など、コミュニケーションを促進する情報を掲載できます。部署や職種を超えた交流が生まれます。 - 従業員エンゲージメントが向上する
総じて社内報は従業員エンゲージメント向上施策として有効に機能します。会社への愛着や帰属意識、仲間意識が芽生えるきっかけとなり、組織の生産性や人材定着率が改善します。
社内報は多方面に好影響を与えます。多くの企業が、社内報に注力している理由が、ここにあります。
1-4. 近年動向は紙ベースからデジタルへ転換
近年動向として押さえておきたいのは、冒頭でも触れたとおり、社内報のデジタル化が進んでいることです。
社内報のデジタル化は、以下のメリットをもたらします。
- コスト削減
印刷コストや配布コスト、その他の手間を削減できます。デジタル媒体では無制限に情報を掲載でき、コンテンツを大幅に増やすことも可能です。
- リアルタイムの情報共有
情報共有を迅速に行えます。社内報を更新するたびに、従業員に通知が届けることも可能です。従業員が必要な情報をすぐに入手できます。
- 効率的な編集と配信
制作作業を効率化できます。制作したコンテンツの一部を、オウンドメディアや取引先への共有に活用するなど、配信先の拡大も容易です。
- インタラクティブ性
従業員が記事にコメントしたり、リアクションしたりできます。従業員の参加意識を高めて、モチベーション向上に寄与します。
- 環境への配慮
デジタル社内報の利用により、紙の使用量を削減できます。
これから社内報を新たに作る場合には、デジタル(Web社内報)を前提として企画することをおすすめします。
2. 社内報を作成する流れ 5ステップ
ここからは、実践的なトピックに移ります。5つのステップで、社内報の作り方を解説します。
- 1. 社内報ツールを選定する
- 2. メッセージを戦略的に設計する
- 3. まずは小さく始めてみる
- 4. 社内報チームを編成する
- 5. コンテンツの企画・制作をルーティン化する
それぞれ見ていきましょう。
2-1. 社内報ツールを選定する
1つめのステップは「社内報ツールの選定」です。
専用ツールを使わずに、自社でWebサイトを構築するやり方もありますが、以下の観点から課題があります。
【専用ツールを使わないと起きる問題】
- ・社内報作成に時間や労力がかかりすぎることで、ほかの業務に支障が出る。
- ・社内報の見やすさやアクセシビリティ(利用しやすさ)が不十分で、従業員の関心が低下する。
- ・社内報の効果が測定されず、改善点やニーズが見逃される。
よって、社内報作成の第一歩は、専用ツールを選ぶこと、といえます。
具体的な社内報ツールの例として、以下があります。
【社内報ツールの例】
サービス名 |
特徴 |
---|---|
株式会社ワークストーリーが提供する社内報テック。理念浸透から相互理解・蓄積まで、社内報を戦略的に活用したい企業向けのDXツール。 |
|
株式会社プロジェクト・モードが提供する社内Wiki・ナレッジ共有ツール。社内報としての活用事例も多数。 |
|
株式会社スタメンが提供する、エンゲージメントプラットフォーム。社内SNSやWeb社内報として活用できる。 |
|
株式会社サイト・パブリスが提供する社内報クラウドサービス。直感的な操作でブログのように記事を作成し、手間をかけずにWeb社内報を運用できる。 |
まずは2〜3社のツール提供会社に連絡をして、無料デモ画面を確認するところから始めましょう。
「どんな感じなのか、イメージしにくい」という方は、以下をご覧ください。
【TOPページ(記事の閲覧・投稿)の例】
上記は「WORKSTORY」の例ですが、社内連絡はトップページで確実かつスピーディに共有され、メンバーが投稿する近況や、部署やコミュニティごとのニュースがタイムラインに集まる仕組みになっています。
詳しくは「WORKSTORYの機能紹介ページ」にて、ご確認ください。
2-2. メッセージを戦略的に設計する
2つめのステップは「メッセージを戦略的に設計する」です。
経営戦略の一環として社内報を捉えることで、企業の目標達成につながる利益を生み出せるようになります。
社内報の目的を明確にし、その目的に合わせたメッセージを設計することが重要です。
以下のような問いを、自問自答してみると、よいでしょう。
- ・社内報を通じて、どのような現状課題を突破したいのか?
- ・社内報を読んだ従業員に、どのような行動変容を促したいのか?
- ・社内報を導入する前と後では、従業員のコミュニケーションはどう変わるのか?
- ・社内報を導入した結果、どのようなビジネス目標が達成されるのか?
- ・社内報コンテンツの根底に反映させたい、会社の価値観は何か?
これらが明確になっていれば、この後のステップでの判断に、迷いにくくなるはずです。
逆に、社内報を運用していくうえで判断に迷うことがあれば、根底の戦略設計に戻って自問自答することで、答えが鮮明になります。
補足として、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)が明確化されていない場合や、設定していても形骸化していて機能していない場合には、このタイミングで見直しを進めましょう。
【MVVとは?】
- ・ミッション:私たちがともに働くことの核となる目的は何か。なぜ私たちは存在し、何をするのか。
- ・ビジョン:私たちは何を成し遂げたいのか。私たちがともに歩む旅路の核となるものは何か。
参考:It’s Time to Take a Fresh Look at Your Company’s Values
MVVは、メッセージの土台となるため、社内報の取り組みを進める前に、明確化されている必要があります。
MVVについては「エンゲージメント経営とは?効果的な手法と組織づくりの実践ポイント」の記事でも触れていますので、あわせてご覧ください。
2-3. まずは小さく始めてみる
3つめのステップは「まずは小さく始めてみる」です。
多くの企業は、社内報を立ち上げるときに、大きなプロジェクトとして取り組みがちです。
しかし、社内報においては、最初から最高のクオリティを追求する必要は、まったくありません。
それよりも、小さく始めて反応を確認しながら、徐々にクオリティを高めていくアプローチのほうが、成功しやすいといえます。
最初は、経営者や一部のメンバーが簡単に投稿するだけでも十分です。
繰り返しになりますが、「社内報の成功事例」や「アワード受賞」で取り上げられるような、完成された社内報を、最初から目指さないことです。
最初は不完全で構わないので、社内報を通じたコミュニケーションをスタートすることに、意義があります。
「WORKSTORY」で社内報を作成する場合、以下のように投稿テンプレがあり、簡単に見栄えのよい社内報を作れます。
【投稿テンプレの例】
2-4. 社内報チームを編成する
4つめのステップは「社内報チームを編成する」です。
社内報を小さくスタートしたら、徐々に大きく育てていくための試みを実践していきます。
ひとつの方法としては、社内報のクオリティを上げていくために社内報の専任チームを作るやり方があります。
【社内報チーム編成の例】
- ・プロジェクトリーダー:社内報全体の方針策定や進行管理
- ・企画担当:トピックやテーマのアイデア出し、企画立案
上記は一例です。それぞれの企業の状況によって、チーム編成は柔軟に変更しましょう。メンバーを固定せず、持ち回りで担当するやり方もあります。
あるいは、「社内報チームの公募や、選任されていく過程を、社内報のコンテンツとして公開する」のも良策です。
社内報の誕生から発展までを見守ることで、社内報に対する関心や愛着を集めやすくなります。
2-5. 定期的な更新によって習慣化を促す
5つめのステップは「定期的な更新によって習慣化を促す」です。
社内報の効果を最大限に引き出すためには、「高い頻度で、社内報が更新されている状態」を目指すことが重要です。
デジタル社内報であれば、できれば毎日、少なくとも数日〜1週間に1度の頻度で、トップページやタイムラインに変化がないと、アクセスが衰退してしまいます。
社内報は、社内に浸透しなければ効果を発揮できません。浸透のカギを握るのが「習慣化」です。
定期発行の新聞や雑誌は、多くの人が継続的に購読を続けますが、それは定期的な接触によって購読が習慣化されたためです。
社内報も、定期的に接触することで、従業員の「社内報をチェックする、社内報を読む、社内報にリアクションする」といった行動が習慣化していきます。
とはいえ、頻繁な更新となると、ネタに困るという方が少なくありません。次章で、具体的なアイデアをご紹介します。
3. 読まれる社内報のネタ・アイデア 30選
社内報コンテンツのネタ・アイデアを、次の3つのカテゴリに分けてご紹介します。
- 1. 定番 10選
- 2. ユニーク 10選
- 3. 社会・トレンド 10選
3-1. 定番 × 10選
まずは定番コンテンツのアイデア 10選をご紹介します。
- 社員インタビュー
社員一人ひとりの仕事に対する姿勢や考え方、人となりにフォーカスし、ほかの社員とのつながりを強化。
- 新入社員の紹介
新入社員にスポットライトを当てて、歓迎ムードを作る。既存社員との会話のきっかけを作り、新入社員が社内のコミュニティに溶け込みやすくする。
- プロジェクト報告
各部署で進行中のプロジェクトについて、業務内では伝えきれない苦労話や現場の熱意も含めて伝える。部署間の情報の偏りをなくし、協力し合える関係づくりを目指す。
- 社長メッセージ
経営陣が今考えていることを、定期的に伝え、社内で情報格差が起きないようにする。
- お悩み相談室
自社で働く従業員が抱えやすい悩みの解決策やアドバイスを提供する。人間関係に関わることなど、相談しにくい内容も、あえて社内報の場で取り上げることで、健全な解決を目指す。
- 他部署一日体験
他部署の業務を一日体験してレポート。経験して初めてわかる苦労や学びを共有し、部署間の相互理解や感謝を深める。
- ボランティア活動報告
参加したボランティア活動の報告を通じて、社会貢献について考えるきっかけを作る。
- 社内イベント報告
社内で開催されたイベントの様子を伝える。新年会、忘年会、スポーツ大会、表彰、ワークショップなど、大小問わず、すべてのイベントを報告することでイベントの効果をブーストする。
- 研修・セミナーの内容共有
社内で開催された研修やセミナーの内容を紹介。参加できなかった社員にも、学びの機会を提供する。
- 成功事例紹介
プロジェクトの成功事例を紹介。担当社員への称賛を集めるとともに、全社員にナレッジ共有を行う。
3-2. ユニーク × 10選
続いて、ユニークなコンテンツのアイデア 10選です。
- グルメリポート
オフィス周辺のおすすめレストランやカフェを紹介。誘い合ってランチに行くきっかけを作る。
- ペット紹介
社員のペットを写真付きで紹介。出会いのエピソードや関係性など、プライベートの一面を共有する。
- 旅行記
社員が訪れた旅行先や、旅先での思い出を紹介。新しい視点を養ったり、旅行地を通じた会話のきっかけを作る。
- 読書感想文
最近読んだ本の感想や学びを共有するコーナー。本だけでなく、漫画・映画・舞台など、さまざまな分野に展開できる。
- 趣味や特技の紹介
社員の趣味や特技を紹介。趣味の合いそうな相手を再発見するきっかけを作る。
- 謎解き・クイズ
社内のちょっとした謎やクイズを紹介。社員同士のコミュニケーションを促すとともに、会社のヒストリーなど根幹に関わる知識を深める機会としても機能させる。
- 創作物の投稿コーナー
社員によるアート、写真、俳句、エッセイ、書道などの作品を募集し、紹介する。創作物を通じた交流を促す。
- 心理テスト
「この画像は何に見える?」などエンタメ色の強い心理テストを掲載。休憩時間などに一緒に盛り上がれるコンテンツとして提供する。
- 英会話レッスン
便利な英単語やフレーズをピックアップして紹介。英語だけでなく、ほかの言語に展開することもできる。
- 占い
週に1回など定期的に占いを掲載する。楽しみながら会話のきっかけとなることを想定する。
3-3. 社会・トレンド × 10選
最後に、社会・トレンドに関するトピックのアイデア 10選です。
- ビジネストレンド
最新のビジネストレンドや業界動向を紹介。社員が変化に対応できるように情報をキャッチアップする。
- SDGs
持続可能な開発目標(SDGs)に関連する取り組みやニュースを紹介。社内の意識を高める。
- ダイバーシティ
多様なバックグラウンドを持つ人同士が、どうすれば共創し合えるようになるのか、考えるきっかけとなるコンテンツを提供する。
- デジタルテクノロジー
ChatGPT、AI、ロボットなど、最新のデジタルテクノロジーを取り上げ、活用事例や今後の動向について考える。
- 健康・ウェルネスコラム
ヘルスケアに関する最近のニュースや情報を共有。健康意識の向上につなげる。
- 環境問題
環境にやさしい取り組みや製品を紹介する。社内におけるリサイクル活動や環境意識への高まりにつなげる。
- ヒット映画やベストセラー
最新のヒット映画やベストセラー書籍を紹介。社会問題と関連の深いものを取り上げれば、考えるきっかけを提供することも可能。
- SNSのトレンドワード
SNSで話題のトレンドワードや現象をピックアップ。社会の空気感を共有しながら、新しいアイデアや視点を得るために役立てる。
- 季節のトピック
季節に応じた行事、旬の食材などを紹介。季節感を楽しみながら、気軽に読めるコーナーを作る。
- 最新の時事ネタ
最新ニュースや話題のトピックを取り上げ、ディスカッションや意見交換の機会を提供する。
以上、30個のアイデアをご紹介しました。これらのアイデアを組み合わせることで、さらに充実した社内報コンテンツを作成できます。
難しく考え過ぎず、迷ったら上記のリストを眺めて、自社に合うコンテンツづくりを行ってください。
4. 社内報の成功事例
ここで、実際に社内報テックを活用している企業の事例を3つ、ご紹介します。
- 1. 社内全体が盛り上がった「自己紹介リレー」
- 2. 「あれ見たよ」が気軽な会話の糸口に
- 3. アルバイトメンバーも含めた絆づくり
以下で詳しく見ていきましょう。
4-1. 社内全体が盛り上がった「自己紹介リレー」
最初にご紹介するのは株式会社SELF-PRODUCEの事例です。
複数の拠点を持つ同社は、顔を合わせたことのないスタッフも多く、事業所間のコミュニケーションに課題を抱えていました。
そこで社内報テックWORKSTORYを導入され、「自己紹介リレー」というユニークな企画が、大きな盛り上がりを見せた、ということです。
ひとりの社員が自己紹介の投稿を行ったら、投稿の最後に「次は○○さんお願いします」と指名をして、自己紹介をつないでいく参加型コンテンツです。
〈運営側としてはWORKSTORYを見ておかないと指名されたことに気付けないので、「見ておこうね」というメッセージでもありました〉
と明かされており、社内報定着を戦略的に実践できたケースといえます。
詳しくは「導入事例 株式会社SELF-PRODUCE」をご覧ください。
4-2. 「あれ見たよ」が気軽な会話の糸口に
次にご紹介するのは、株式会社クロコです。
同社では、多事業展開とリモートワークの導入により、「組織間のつながりが薄く、お互いの事業部のことを理解できていない」という課題を抱えていました。
WORKSTORYで事業間のシナジーを生み出したいと導入され、最初は少人数でのテスト運用を行いました。
以下の全社導入時のエピソードは、これから導入する企業にとって、参考になるのではないでしょうか。
テスト運用を終えて、全社に導入する時は社内向けに資料を作りました。熱意を伝えたかったんです。
「トップダウンで決まったので導入して下さい」だと社員は楽しくないと思うので、事業部間でコミュニケーションをしていこう、コロナ禍でなかなか会えないからこそみんなでやっていこう、とツールを入れる背景と目的を社内に伝えることが重要だと思ったんです。
出典:導入事例 株式会社クロコ
このような熱意と丁寧なコミュニケーションを経て導入された社内報は、「WORKSTORYであれ見たよ」が気軽な会話の糸口となってコミュニケーションを促進するほどに、社内に浸透しています。
詳しくは「導入事例 株式会社クロコ」をご覧ください。
4-3. アルバイトメンバーも含めた絆づくり
レストラン「赤坂うさぎや」を展開する株式会社ワークスメディアは、さまざまな事業を手がける本社の社員メンバーと、店舗勤務のアルバイトを含むメンバーとの間の距離に、課題を抱えていました。
そこで、社員メンバーと店舗メンバーの情報共有ツールとして、WORKSTORYを導入されました。
同社では、社内報の導入初期に、定着のためのアプローチを集中的に行っています。
具体的には、月に1回必ず個人的なエピソードやお店の取り組みを投稿するように働きかける、アルバイトメンバーの投稿には積極的にリアクションする、といったアクションです。
見事に定着させ、活用が進んでいる現在では、以下のエピソードが、象徴的です。
それまでは名前しか知らなかった本社の人のプロフィールや投稿を見て、人となりがわかるようになりました。
社長がバイクが好きだという投稿を見てから話すきっかけが出来て、今もよく一緒にツーリングに出かけて店を今後どうしていきたいとか、熱い話をしたりもします。
出典:導入事例 赤坂うさぎや
詳しくは「導入事例 赤坂うさぎや」をご覧ください。
5. 社内報を最大限に活用する方法
最後に、社内報を最大限に活用する方法を、お伝えします。
- 1. 社内SNSとして活用
- 2. データ分析をもとに改善
- 3. 社内報を皆で育てる意識
以下で詳しく見ていきましょう。
5-1. 社内SNSとして活用
現代の社内報は、一方的な情報発信のみならず、従業員同士のコミュニケーションを促進するSNS的な機能も備えるべきといえます。
社内報と社内SNSを個別に運用している企業もありますが、両者は組み合わせることで、お互いに相乗効果を発揮します。
たとえば、以下のようなコミュニティ機能を持つ社内報ツールを選ぶことで、SNS的な活用も推進できます。
【コミュニティ機能の例】
出典:WORKSTORY 機能
5-2. データ分析をもとに改善
社内報を導入したら、利用状況のデータ分析をもとに、改善を行っていきましょう。
【利用度チェックの例】
出典:WORKSTORY 機能
たとえば、利用度の低い部署が見つかったら、次の企画は、その部署にスポットライトを当てることで関心を高めることを検討します。
関連データとの相関分析も、四半期ごと・半期ごとなどのタイミングで実行しましょう。
【関連データの例】
- ・業績(組織全体/部署ごと/プロジェクト単位などで分析)
- ・労働生産性(収益÷従業員数)
- ・離職率
- ・従業員アンケート調査
5-3. 社内報を皆で育てる意識
最後に3つめとして、従業員全員が社内報に関わり、皆で育てる意識を醸成できると、理想的です。
情報や知識の共有が促進されるだけでなく、「社内報自体への愛着」が生まれることで、好循環が始まります。
従業員一人ひとりが積極的に投稿したり、リアクションしたりして、発信者としても受信者としても関与するようになれば、社内報はひとつの“居場所”となるでしょう。
従業員同士のつながりが深まり、企業文化が形成され、共創し合える強い組織を作っていきましょう。
6. まとめ
本記事では「社内報」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
社内報を作成する流れを5つのステップでご紹介しました。
- 社内報ツールを選定する
- メッセージを戦略的に設計する
- まずは小さく始めてみる
- 社内報チームを編成する
- 定期的な更新によって習慣化を促す
読まれる社内報のネタ・アイデア 30選は、以下のとおりです。
- 社員インタビュー
- 新入社員の紹介
- プロジェクト報告
- 社長メッセージ
- お悩み相談室
- 他部署一日体験
- ボランティア活動報告
- 社内イベント報告
- 研修・セミナーの内容共有
- 成功事例紹介
- グルメリポート
- ペット紹介
- 旅行記
- 読書感想文
- 趣味や特技の紹介
- 謎解き・クイズ
- 創作物の投稿コーナー
- 心理テスト
- 英会話レッスン
- 占い
- ビジネストレンド
- SDGs
- ダイバーシティ
- デジタルテクノロジー
- 健康・ウェルネスコラム
- 環境問題
- ヒット映画やベストセラー
- SNSのトレンドワード
- 季節のトピック
- 最新の時事ネタ
本記事でご紹介した内容をヒントとしつつ、ぜひ、“自社らしさ”の詰まった世界でひとつの社内報を、コツコツと育てていただければと思います。