「最近の社内広報の成功事例が知りたい」
「自社に取り入れられそうな社内広報の事例はないかな」
社内広報を始めたい、または社内広報を強化して社内の結びつきを強くしたいとお考えですね。
この記事では、社内広報に成功し、インナーブランディングを高めている実際の企業の事例を紹介していきます。
そして成功事例から、具体的にどのような働きかけをしてどんな効果を上げたのかをひも解いていきます。
社内広報に成功している企業は、従業員の愛着と帰属意識が高まり、業務へのモチベーションや効率をアップさせています。
事例を通して、あなたの会社にも取り入れることのできる具体的な方法をご紹介していきましょう。
本記事のポイント |
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■ 社内広報の事例を知ることができる |
この記事を読むことで、成功している社内広報の事例を知り、自社が抱える問題を解決し、強い組織作りに踏み出すことができます。
【目次】
1.社内広報の成功事例5選
近年の社内広報は、Webを活用した「タイムリーな双方向性」で運用している企業が増えています。
新型コロナウィルス感染症のリスク対策として、テレワークが社会的に推進している中、社内広報もWebを活用することで、各地の拠点を結ぶことが可能になっています。
Webを活用した社内広報には、大きく分けて以下の手段があります。
・Web社内報
・社内SNS
・社内ラジオ
それぞれの社内広報の成功事例を具体的に見ていきましょう。
1-1.Web社内報の成功事例①:赤坂うさぎや(飲食業)
出典:赤坂うさぎや
■概要
赤坂うさぎやは、不動産やIT事業を運営している企業の飲食事業として展開されています。
経営陣と接する機会の多い本社メンバーと、アルバイトスタッフの多い飲食事業では、企業理念の浸透や所属意識に大きなズレが生じやすいものですが、web社内報の導入によって相互理解を深め、さらには事業を横断するシナジーを生み出すことに成功しました。
■社内広報導入前の課題
・本社と業務が異なるうえ、日頃の接点がないため同じ会社なのにお互いの組織が何をしているのかわからない
・アルバイトスタッフが多いので、会社の一員だという意識が希薄化し、視野が狭くなってしまう
■社内広報で具体的に実践したこと
・お互いを理解して働きやすくするためだという目的を丁寧に伝えた
・社員、アルバイトスタッフ含め、全員が顔写真とプロフィールを登録
・本社と接点の薄いアルバイトスタッフが投稿したときは、積極的にコメントをする
■社内広報実施後の効果
・アルバイトスタッフも「会社の一員」という意識が持てるようになった
・業務では直接関わりがないメンバーも、日頃の投稿を通してお互いのことが分かるため、心理的安全性が高まった
・飲食店が「同じ企業の仲間」として接客してくれるため、取引先を安心して連れて行ける接待の場になった
飲食事業のアルバイトスタッフを含めた全社員のプロフィール登録と社内報への投稿により、業務で直接の関わりを持つ機会のない社員同士の交流を縦横に深め、互いの事業の新たな活用方法の発見や機会の提供を生み出しています。
参考:「記事の投稿から商談の鉄板トークが生まれた」飲食店と不動産IT事業の間に生まれた思わぬシナジー
1-2.Web社内報の成功事例②:株式会社池田模範堂(医薬品製造販売)
出典:株式会社池田模範堂
■概要
かゆみ止め「ムヒ」でお馴染みの株式会社池田模範堂は、Web社内報で情報共有を促進することで、現場の業務効率を大幅に向上させることに成功しました。
■社内広報導入前の課題
・ITリテラシーが高くない従業員を多く抱えていた
・旧来からの紙や電話、ファックスを多用する企業文化を変えられずにいた
・過去に導入していたグループウェアでは、紙媒体と電子媒体の両方で社内通知をする必要があった
・社内の庶務に関する問い合わせが1日に30本以上もかかってくる状況
■社内広報で具体的に実践したこと
・使い勝手や画面の見やすさに考慮した
・社内の決まりごとを視覚的に説明したPDFを多数作成
・各PDFにワークフロー申請へのリンクを仕込む
■社内広報実施後の効果
・情報の通達が行き届くようになった
・総務への問い合わせが減り、本来業務に集中できるようになった
社内ポータルのトップ画面に設置した「社内手続きMAP」から、出張の申請や従業員の冠婚葬祭に関する社内の決まりごとについての具体的なフローと手続きが行えるようにしたことで、「困ったことがあったら、まずポータルで確認」という習慣を定着させることができています。
参考:ガルーンのポータル活用が現場レベルの業務改善をもたらしさらにCI一新への意識改革にも貢献した結果、過去最高の売上高を叩きだした事例
1-3.Web社内報の成功事例③:エン・ジャパン株式会社(IT事業)
出典:en soku!
■概要
求人情報メディアの展開から人材紹介サービス等の運営を行うエンジャパン株式会社は、社内報をWeb上で社外にも公開しています。
ライターや社内広報担当者が投稿や構成を行うのではなく、従業員一人一人が発信する社内報を公開することで、ありのままの社内の様子や情報を発信しています。
■社内広報実施後の効果
社内のコミュニケーションを活性化するだけでなく、アットホームで風通しの良い職場の雰囲気を外部にも発信できています。
社内報をあえて社外に向けても発信することで、企業に興味を持った人が集まり、優秀な人材確保にもつながる好事例と言えます。
なお、デジタル・ネイティブ世代の入社に合わせ、2019年からはYouTubeチャンネルで「しみねーのWelcome エン・ジャパン」をスタートし、新旧の従業員と一般視聴者を巻き込んだ公開型のWeb社内報を展開しています。
1-4.社内SNS活用の成功事例:株式会社スープストックトーキョー(飲食業)
■概要
スープ専門店を運営する株式会社スープストックトーキョーは、社内SNSを活用して相互発信による社内コミュニケーションを行い、正社員やアルバイトなど、異なる雇用形態の従業員が垣根を超えた交流を持っています。
飲食店のような接客業は、従業員の働くモチベーションが接客力に直結するもの。
そのため、働き方や休み方を従業員一人ひとりが主体的に考えて変革していこうという「働き方改革」の一環で、社内SNSを採用しました。
■社内広報導入前の課題
・企業理念として「世の中の体温をあげる」と掲げながら、社員やパートナー(アルバイトスタッフ)の体温をあげきれていなかった
・仕事を「こなす」ようになっていて、ブランドとしてのチャレンジが減ってきていた
■社内広報で具体的に実践したこと
・1日ひとりのパートナーを紹介する日めくりカレンダー
・週替りのスープメニューの紹介コンテンツ
・社長コラム
・社員やパートナーが、店舗での取り組みや仕事上の疑問や困ったことなどを自由にタイムラインに投稿し、店舗を超えてだれでもリアクションができるようコミュニケーションを促す
■社内広報実施後の効果とは
・「困っている」ことがあれば教えてもらって解決し、「挑戦したい」ことがあれば支持して応援する環境が醸成した
・店舗単位でなにかを変えるのではなく、ブランドや会社が後押しをする環境が整った
お客様とのやりとりや、業務の中で生じた疑問など、働き方や立場にとらわれることなく発言が気軽にできるようになっています。
自分の気付きに対して発言できる場があること、またそれに対するフィードバックがあることで、現場で働く従業員のモチベーションの向上に効果があります。
また、お客様と直接やり取りをする現場の声を経営陣がリアルタイムに聞けることで、経営課題やネクストステップの開発に大きな貢献をしています。
参考:【JinJiのトリセツ】スープストックトーキョーの社内SNS「Smash」で起きているコト
1-5.社内ラジオ活用の成功事例:株式会社オーディオストック(楽曲販売)
■概要
株式会社オーディオストックは、岡山県で創業し、東京との二拠点で楽曲や効果音など音素材を販売する企業です。
岡山と東京との物理的な距離を埋めるため、社長や従業員がパーソナリティとなって、日々の情報を「音声データ」で社内向けに発信する取り組みをしています。
■社内広報導入前の課題
・テキストのみのコミュニケーションでは、東京と岡山で情報量に差が出てきていた
・岡山の従業員の中で、社長が何を考えていて、どういう情報を持っているのか、どこに進もうとしているのかが分からないという不安が広がった
■社内広報で具体的に実践したこと
・週に1~2回のペースで「社長ラジオ」を配信
・取り組みに対するねらいや、ストーリーなど詳しい情報を熱をこめて話す
・商談の内容や、今後の計画などについて話す「営業ラジオ」を配信
・社長が社員を招いたり、社員同士で楽しく談笑する「インタビューラジオ」を配信
・社員が定期的に趣味や、いま関心があることについて話す「プライベートラジオ」を配信
■社内広報実施後の効果とは
・対面コミュニケーションの苦手な従業員も配信に成功
・社内で発信しやすい環境が整うことで、コミュニケーションが活性化され、日々の業務も円滑に
・社長や社員の想いを、生の音声だからこそのリアルな温度感で共有できた
・社員がパーソナリティになることで、社員が自分の意見を発信する練習ができた
「社長ラジオ」「営業ラジオ」「インタビューラジオ」「プライベートラジオ」などのジャンルを設け、業務上の情報共有だけでなく、文字通り社員のだれもが発言しやすい環境づくりを実現しています。
参考:「社内ラジオ」で、コミュニケーション課題を改善! – クレオフーガ
2.社内広報の成功事例からひも解く3方向への働きかけ
社内広報とは、企業が自社の従業員に対して行う広報活動です。
自社内で働く多数の従業員の意識をひとつにまとめ、その企業の社員としての行動を促すためのもので、企業と社員の信頼関係を深め、企業の組織力を高めることができます。
社内広報の成功事例を見ると、以下の3つの方向への働きかけにより、組織力を高められることがわかります。
・タテの繋がりへの働きかけ
・ヨコの繋がりへの働きかけ
・ソトとの繋がりへの働きかけ
具体的な内容と、それぞれの組織力への影響を見ていきましょう。
2-1.タテの繋がり:企業理念や経営方針が従業員に浸透する
社内広報におけるタテの繋がりとは、経営層と従業員の関係性を構築することです。
具体的には、経営層の企業理念や経営方針を従業員に伝え、理解や共感を促すことが挙げられます。
従業員が自社の企業理念を理解したり、共感して日々の業務に当たることで、以下のような効果があります。
■ チーム作業の効率化
従業員同士が共通の目標や価値観を持つことで、役割を分担したり作業を集約したりなど、効率的なチームワークが叶えられます。
■ 部門を超えた協力体制の構築
企業全体で同じ目標や価値観を持つことで、協力できる領域が広がり、これまでになかった新商品や新サービスのきっかけも生まれやすくなります。
■ 迅速で効率的な決定指針の構築
それぞれの従業員が、企業としての目的達成のために個人がどのように行動するべきなのかを理解することで、有機的な判断ができるようになります。
■ モラルの向上
目的を達成するための組織を形成する一人だと認識することができ、従業員の中に行動規範が構築され、その企業にふさわしい振る舞いを自ら考えて行動するようになります。
■ モチベーションの向上
企業の目的や価値観が理解されると、従業員が日々の業務に誇りを持つことができ、仕事に対する意欲や責任感が高まります。
■ 顧客との信頼関係の構築
すべての従業員が一貫した行動を取ることで、顧客に対して信頼と安定感を与えることができます。決定指針が従業員の中にあることで、迅速な判断や提案によってビジネスをより発展させることができます。
2-2.ヨコの繋がり:部署や部門を超えた社内情報の共有ができる
社内広報におけるヨコの繋がりとは、部署や部門の垣根を超えて社内情報の共有をすることです。
具体的には、どこでどんな業務を行っているのか、どんな人物がともに働いているのかを互いに知ることで、日々の業務に安心して当たれるように促すことです。
社内情報の共有をすることで、以下のような効果があります。
■ 生産性の向上
問題解決に必要な情報がどこにあるかを共有することで、部門を超えたコミュニケーションが容易になるため、問題解決に要する時間が短くなって生産性が向上します。
■ 革新力の向上
従業員同士の関係性の構築により、部署や部門の垣根を超えた良いアイデアや共同作業のアイデアが出やすくなります。プロセスや商品、サービスを新しく生み出す革新的な作用が期待できます。
■ 企業文化の強化
互いを知ることで、ともに働く「仲間」としての安心感を形成できるため、それぞれの業務に集中することができます。
■ 従業員の満足度の向上
相手を知らないことによる誤解から生まれる、人間関係のストレスや不満を軽減したり解消したりすることができます。職場環境への不満がなくなり、従業員の満足度が高まります。
■ 継続的な教育機会の提供
社内にロールモデルを見つけることで、自身の業務に必要な新しい情報や知識、行程について学ぶことができます。自分のスキルアップの方向性が具体的に描けるため、従業員それぞれが生産性や業務の品質を上げることができます。
■ 従業員の定着率向上
協力的な同僚やサポート体制のある職場環境で働くことで、従業員は自身を持ち、満足を感じます。職場に対するストレスや不満も少なくなるため、健康問題が起きにくくなり、長期的な就業を支えます。
さらに、定着率が向上することで、採用コストを抑えることも可能になります。
2-3.ソトとの繋がり:採用戦略としての活用が可能になる
社内広報におけるソトとの繋がりとは、採用戦略としての活用ができることです。
具体的には、どのような人材を募集するかの選定から、応募してきた者に対して自社の企業文化や価値観を提供することで、安心して就業できるイメージを持ってもらうことです。
社内広報は、採用戦略として以下のように活用することができます。
■必要人材の具体的イメージの構築
社内情報を的確かつタイムリーに把握することができるため、必要人材のマッチングや採用戦略に具体的に生かすことができます。
■ ブランディング効果
共通の理念や目的を理解し、やりがいを持って働いている従業員のインタビューを社外向けに発信することができます。
経営層と従業員とで一貫性のある企業であるという、求職者に対してのブランディング効果を醸成することができます。
■ 従業員の広報力向上
企業文化や職場の雰囲気、ワークライフバランスやスキルアップなどについて、従業員の口コミによる前向きな説明が可能になるため、求職者にとって魅力的な企業であることを伝えることができます。
■ 定着率の訴求
社内広報によって従業員の定着率が上がっている企業では、採用コストを抑えることができるだけでなく、従業員満足度の高さをアピールすることができるため、求職者にとっての魅力となります。
3.社内広報の成功を実現するおすすめのツール
1.社内広報の成功事例5選でご紹介した通り、近年で成功している社内広報の事例は、タイムリーな双方向性を叶えるため、紙媒体よりも以下のようにWebを活用したものが主流です。
【 Webを活用した社内広報の種類と特徴 】 |
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種類 |
特徴 |
Web社内報 |
Web上で配信される社内報。読了数など従業員の反応が可視化される。閲覧だけでなくコメント投稿も可能。 |
社内SNS |
企業や組織内部で利用するビジネス用のSNSで、特にコミュニケーションの促進を目的にしている。 |
社内ラジオ |
ラジオ番組形式で行う社内報。音声データだけなので手軽に導入・配信ができる。 |
それぞれの機能について説明しながら、おすすめツールも合わせてご紹介していきましょう。
3-1.Web社内報のメリットとデメリット
Web社内報は、オンラインで閲覧や投稿のできる社内報です。以下のメリットとデメリットがあります。
【 Web社内報のメリットとデメリット 】 |
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メリット |
デメリット |
・データの集積や分析ができる |
・閲覧のためのデジタル機器が必要になる |
メリットもデメリットも、紙媒体の社内報と比べて考えるとイメージがしやすいでしょう。
それぞれを補完するため、Webと紙媒体の両方で社内報を発行している企業も、大企業などでは多数あります。
小規模事業者や中小企業、デジタルネイティブ世代が経営する企業では、企業規模の成長に合わせ、Web社内報だけを採用する事例が多くなっています。
■ おすすめのWeb社内報ツール
出典:WORKSTORY
WORKSTORYは、「これ1つで会社が分かる」ことを目的に作られた、社内ブランディングを叶えるWeb社内報です。
単に社内の情報を共有するだけでなく、社内活性化の仕掛けも併せ持つため、「互いに顔の見える組織」作りに貢献し、従業員の心理的安全性を確保します。
社内連絡やタイムラインの情報を109ヶ国語で自動翻訳することもできるため、言語や国を超えたメンバーとのやり取りにおいても、情報共有の頼もしい味方になってくれます。
3-2.社内SNSのメリットとデメリット
社内SNSは、特定の企業や組織内部で利用することのできる、ビジネス用のSNSです。以下のメリットとデメリットがあります。
【 SNS社内のメリットとデメリット 】 |
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メリット |
デメリット |
・件名や挨拶文なしで利用できる |
・プライベートとの境界線が乱れることがある |
LINEを使ったことのある方であればイメージがしやすいですが、スタンプ機能などを使って手軽にコミュニケーションが取れるため、情報共有が加速化します。
一方で、「SNS疲れ」という言葉があるように、手軽に情報の受発信がしやすいことにより、処理負荷を抱えてストレスを感じてしまう人が出てくることも。
チャット機能のタイムリーさは魅力ですが、「どんな情報を受発信するか」「使用時間帯の制限」「了解時のリアクション方法」といった細かいルールの検討も、導入前にしておくことが大切です。
■ おすすめの社内SNSツール
出典:Unipos
Uniposは、ピアボーナスと呼ばれる、従業員同士が行う「良い行動への称賛で少額のインセンティブを送り合う」仕組みのパイオニア企業です。
会話や情報交換を楽しむだけのSNSでは、管理が行き届かないと情報が溢れて無秩序になることもありますが、Uniposは「称賛し合うこと」がテーマになっているため、比較的業務と関連した前向きな投稿が多くなるため、企業文化を良好にします。
ChatWorkなど他社ビジネスチャットとの連携もできるため、導入しやすいのも魅力です。
3-3.社内ラジオのメリットとデメリット
社内ラジオは、ラジオ番組形式で社内情報を発信する方法です。以下のメリットとデメリットがあります。
【 SNS社内のメリットとデメリット 】 |
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メリット |
デメリット |
・配信に技術がいらない |
・検索性が低い |
テキストの校正作業、動画の編集作業といったデメリットを排し、テキストでは伝わりにくい温度感を伝えつつ、動画よりも気軽に配信できることから、社内ラジオは一部で人気が高まっています。
全従業員に向けて話しているものであっても、聴取する際には個別に語りかけられているように感じるため、想いが届きやすいメディアと言えます。
無料の配信サービスを使うこともできますが、音のクリアさや編集にこだわると機材購入費がかかることや、セキュリティの不安が出てくるため、できれば専用ツールを使用して録音から配信まで行う方が良いでしょう。
■ おすすめの社内ラジオ
出典:Voicy
Voicyは、音声で社内の情報共有を図る社内広報ツールです。
専用アプリを使ってスマホひとつで収録ができるため、手軽でタイムリーな情報配信を可能にしています。
また、視聴もスマホでできるため、通勤中や家事の合間など、時間や場所を選ばずに従業員それぞれのタイミング、それぞれの習慣の中で必要な情報を受信することができます。
テレワークにおいて、非対面の良さも少なからず感じているところ。音声であれば、映像よりも制作の手間を抑えながら、テキストでは伝えられない「熱」や「感情」を合わせて届けることができるのが魅力です。
4.Webを活用した社内広報では効果測定が大切
Webを活用した社内広報では、さまざまなデータを取ることができるため、ぜひ効果測定を行ってください。
この章では、以下の2つについて解説していきます。
・効果測定で見るべきデータ
・効果測定を取ることのメリット・デメリット
この章を読むことで、効果測定によって実現できる以下のことがわかりますので、ぜひ最後までお読みください。
・従業員が情報をどのように受信しているかが把握できる
・従業員の発信情報について把握/分析ができる
・従業員が求めている情報を理解し、発信の改善ができる
どんなコミュニケーションが自社の従業員に合うものなのかが見えてくると、より円滑な情報共有につなげられ、社内広報の効果を上げることができます。
どんな数値で効果測定ができるのか、Web社内報の効果測定のメリットなど、わかりやすく説明していきましょう。
4-1.Webを活用した社内広報の効果測定で見るべきデータ
Webを活用した社内広報の効果測定では、主に以下の数値やデータを見ていきます。
【 Webを活用した社内広報の効果測定 】 |
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反応から取れる |
・アクセス数 |
アンケート実施やコメントから取れる |
・企業理念や目的の浸透度 |
導入する媒体にもよりますが、Webを活用した社内広報は、どれも基本的に双方向性のやり取りが可能なので、おおよそ上記のデータを取ることができます。
従業員が求めている情報と、管理側が発信したい情報とにズレがあると、せっかくWebを活用した社内報を導入しても、管理側の自己満足で終わってしまいます。
たとえば、管理側が従業員のためにと発信した「福利厚生」や「制度」に関する情報に対する反応が薄く、「社長の一日」など人間味のある投稿の人気が高い場合、従業員は企業理念や会社の起源に興味があることがわかるでしょう。
逆のケースももちろんありますが、「求められている情報」についてしっかり測定して理解することこそが、企業と従業員の相互理解の第一歩と言えます。
4-2.Webを活用した社内広報の効果測定を行うメリット
Webを活用した社内広報の効果測定を行うメリットは、主に以下のものが挙げられます。
【 Webを活用した社内広報の効果測定を行うメリット 】 |
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・社内広報活動が目的通りに機能しているかどうかの判断ができる |
それぞれ具体的に説明していきましょう。
■ 社内広報活動が目的通りに機能しているかどうかの判断ができる
社内広報に限らず、効果測定を行う際にはまず活動そのものがどれだけ機能しているのかを知る必要があります。
どんなに素晴らしい機能でも、実際に活用されていなければ意味がないからです。
従業員がどれだけ社内広報活動そのものに関心を持っているかについて、アクセス数やページビュー数などの定量データによって判断することができます。
■ 従業員が求めている情報をタイムリーに把握・分析できる
Webを活用した社内広報であれば、リアクション数などから、従業員の興味傾向を分析することができます。
人気のコンテンツは従業員同士で教えあったりすることもあるため、全従業員に同じように配信しているものであっても、ページビュー数やシェア数にも影響があるものです。
■ 従業員の理解度に合わせた育成・教育戦略を立てることができる
Webを活用した社内広報が機能してきたら、ぜひアンケートを取り、企業理念や目的に対する理解や共感の度合いをリサーチしましょう。
企業理念以外にも、業務に必要なスキルに関するセミナー等の具体的な希望を調査することもできます。
アンケート結果を元に、より戦略的な人材育成につなげ、企業としての成長を目指すことができます。
■ 効果測定結果に沿った具体的なフィードバックにより、従業員に安心して働ける環境を提供できる
Webを活用した社内広報のもっとも有効なポイントは、「双方向性」です。
これは単に、「発信する→従業員からの反応を得る」という、一往復のことだけを指すものではありません。
従業員から得た反応に対して、さらにもう一度、従業員に対して具体的な施策や機会の提供することで、双方向のパイプが太くなり、企業と従業員の関係性を強化することができるのです。
「自分たちの意見が何かしらの形になって組織を良くしている」という認識は、従業員の帰属意識を高め、エンゲージメントと呼ばれる愛社精神を醸成します。
Web社内報に寄せられた従業員の回答やコメントは、組織力の強化になくてはならないものです。ぜひ活用して、ネクストステップに繋げてください。
まとめ
今回は、社内広報の成功事例をご紹介し、成功のための施策や具体的な方法、ツールについて解説してきました。
社内広報はタイムリーな双方向性を叶えるため、Webを活用した以下のものが導入されています。
【 Webを活用した社内広報の種類と特徴 】 |
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種類 |
特徴 |
Web社内報 |
Web上で配信される社内報。読了数など従業員の反応が可視化される。閲覧だけでなくコメント投稿も可能。 |
社内SNS |
企業や組織内部で利用するビジネス用のSNSで、特にコミュニケーションの促進を目的にしている。 |
社内ラジオ |
ラジオ番組形式で行う社内報。音声データだけなので手軽に導入・配信ができる。 |
それぞれの種類ごとのメリットとデメリットは、以下の通りです。
【 Webを活用した社内広報のメリット・デメリット 】 |
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種類 |
メリット |
デメリット |
Web社内報 |
・データの集積や分析ができる |
・閲覧のためのデジタル機器が必要になる |
社内SNS |
・件名や挨拶文なしで利用できる |
・プライベートとの境界線が乱れることがある |
社内ラジオ |
・配信に技術がいらない |
・検索性が低い |
Webを活用した社内広報では、以下のデータから効果測定を行うことが大切です。
【 Webを活用した社内広報の効果測定 】 |
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反応から取れる |
・アクセス数 |
アンケート実施やコメントから取れる |
・企業理念や目的の浸透度 |
この記事によって、あなたの会社の社内広報が成功し、インナーブランディングが高まりますように。