【書き方事例付】会議での議事録が劇的にうまくなる方法を徹底解説

コミュニケーション

新卒で入社した部下の議事録を見て「何これ!?」「議事録も取れないの!?」と苦労する方は多いのではないでしょうか。または上司から同様の指摘を受けた経験のある若手社員の皆さんも結構いるのではないでしょうか。

かく言う私も、新卒で入社し議事録を取るよう頼まれましたが、あまりの見難さ・要点の分かりにくさから上司にかなり指導を受けた経験があります。

社会人になると打ち合わせやミーティング、取引先との会議など議事録が必要な場面がかなり多くなります。
そういった際、議事録係としてよく新入社員や若手社員が任される事も多いでしょう。
そんな時、急に議事録を取れと言われても、「何を」「どのように」まとめて良いかもわからず焦ってしまいがちです。

ですが若手社員の皆さん。議事録を取るという事は自分のスキルを上司や先方にアピールするチャンスにもなります。
要点をわかりやすく・見やすくまとめる力は、今後どんな仕事になろうとも必要な力です。
まずはこの記事で正しい議事録の取り方、またコツを学び、積極的に議事録係を引き受けましょう。そして上司からの褒め言葉を是非ゲットしてください。

1.議事録はビジネスマンスキルの基礎!
1-1.”打ち合わせ内容と結論を簡潔に報告・共有する”為の議事録
1-2.知っておくべきポイントは3つ
1-3.「客観的視点」を意識して記録しよう
2.【比較】議事録の良い書き方・悪い書き方3選
3.使える議事録フォーマット
4.まとめ

1、議事録はビジネスマンスキルの基礎!

それでは早速、議事録を書く上での基礎知識をここではご紹介します。
メールの書き方と同じくらい、議事録の書き方は大切です。基礎はしっかり抑えておきましょう。

1-1.”打ち合わせ内容と結論を簡潔に報告・共有する”為の議事録

そもそも大切なのは、議事録を取ることの目的を忘れない事。目的は「情報の共有」になりますので、後から見返して「誰もが」「どんな会議で」「何を決定したのか・どういう結論になったのか」が確認できるようになっていることです。

議事録は取らない打ち合わせも多いですが、記録をつけることで以下のメリットが得られます。

■参加できなかったメンバーにも共有する事で、次回の会議に参加する時も事前の説明時間を大幅に短縮する事ができる
■誰が発言したのか、責任の所在が明確に残る為、「言った、言わない」のトラブルを防ぐ
■対応者や決定事項のタスク期限を明確にする事で、第三者から見ても次のアクションが見える為、関係者への伝達も効率よくスムーズに行える

通常仕事をしていると、様々な案件・業務を抱えていることが多い為、色々な業務がごちゃ混ぜにならないよう、議事録に記録を残しておいた方がより仕事を効率的にこなせます。後から見返す事ができるので、逐一確認をとることでやるべきタスクを見逃さないよう可能な限り議事録を取ることをオススメします。

1-2.知っておくべきポイントはたったの3つ

では抑えておきたいポイントをご紹介します。主に意識しておきたいポイントは以下の3つです。

① 誰が記録を付けるのか
② なくてはならない情報は何なのか
③ いつまでに提出すべきなのか

 

この3つです。それでは実際にそれぞれのポイントを解説していきます。

① 誰が記録を付けるのか
基本的に議事録をつける専門の役職はないと思います。その為、結論としては誰がとっても良いのです。主催のメイン発言者は会議の進行に影響が出る為、一般的には新卒や若手の社員が取る事が多いでしょう。もし、会議に出席し議事録係を募った場合は、積極的に引き受けましょう。自分のとった議事録を上司に評価してもらう絶好のチャンスですよ。

②なくてはならない情報は何なのか
議事録の取り方に正解はないのですが、最低限記載しておかなければいけない項目は抑えておきましょう。

<必須事項>
・参加者
・会議の日時
・開催場所
・会議の目的(取引先など、外部の人との打ち合わせを行う場合)
・発言者の名前と発言内容(重要な発言・質問等)
・決定事項
・会議の概要
・会議の要約

上記の項目は後から見返す際に、必須の事項となります。後ほど使い勝手の良い議事録フォーマットもご紹介しますが、こちらの事項を含んだ議事録フォーマットをベースに議事録をまとめましょう。

③いつまでに提出すべきなのか
議事録をまとめたら、24時間以内に参加者に内容を確認してもらう事が基本です。遅くとも次の日までに対応する事が良いでしょう。たまに時間のある時にやろうと後回しにする人もいますが、できる限り記憶が鮮明の内にまとめましょう。少し時間が空いてしまっただけで、1つや2つ必ず抜けが出てきます。漏れがないように、まとめ終わったら必ず先輩や参加者に共有するようにしましょう。

1-3.客観的視点を意識して記録しよう

議事録を取る際に必ず注意してもらいたいのが「客観的視点」で真実のみを記載するように心がけましょう。メモを取る時、主観や自分の意見が反映されがちですが、それでは正しい議事録とは言えません。後から見返して、行った会議の内容を正しく記録する為のものなので、必ず客観的視点で会議の経過・発言・要点をまとめるようにしましょう。

■□コラム□■
議事録を取るときは、必ず全員の声が聞き取りやすい位置を確保しましょう。自分が新卒や若手だからといって、端に座ってみんなの発言が聞き取れなかった、といった事がないよう席を確保しましょう。もし端になってしまった場合も「議事録を取りますので、みなさんの声が聞きやすい位置に移動させていただいても宜しいでしょうか」と積極的に声をかけて行きましょう。
参考URL: http://next.rikunabi.com/journal/entry/20160510_1(経緯から決定事項まで一目瞭然!分かりやすい議事録の書き方とは?)
参考URL: https://careerpark.jp/5003(議事録の書き方は?すぐに使えるフォーマット【テンプレートDLあり】)
参考URL: http://www.insource.co.jp/businessbunsho/bus_bunreishu_gijiroku.html(上司が”唸る”議事録の書き方)
□■コラム■□
「苦手意識」が先行しすぎて、議事録を取ることに億劫になってしまっている人が多いです。初めから上手にまとめられる人はそうそういません。慣れないうちは、過去の議事録を参考にしてみましょう。過去の議事録で内容がわかりやすい物=議事録の目的がしっかり果たされている物になりますので、より自分でも後から読み返してもわかりやすいと思えるように、まずはフォーマットから真似てみるのが良いでしょう。

2、【比較】議事録の良い書き方・悪い書き方3選

それでも苦手意識が改善されない人、よく上司の方から指摘される方は、まとめ方に問題があるかもしれません。そこで、ここでは良くやってしまう悪い書き方を3つご紹介します。もし当てはまるものがあれば、すぐにでも改善するようにしましょう。

① そもそもメモがしっかり取れていない(直接提出用の議事録フォーマットに書き込む)
内容が薄く、詳しく情報が載ってなさすぎる事があります。例えば以下の様な場合です。
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<悪い例>※全体の定例会議の見直しの打ち合わせにて
決定事項
・定例の会議は月に1回に変更
・出席者は各部署から2名
・各部署の議題を事前に提出

<良い例>
決定事項
・従来定例会議は3ヶ月ごとに行われていたが、よりスピーディな情報共有の必要がある為、定例の会議は毎月10日に行う事にする。
・出席者は、部署リーダーと副リーダー各1名ずつ、計2名は必須参加とする事
・会議の議題に上げたい事項は、3日前までに○○に連絡・及び議題についての資料を提出する
違いが分かりますでしょうか。悪い例では会議での決定事項において、必要な情報が欠けていたり、決定に至った経緯などが把握できないものになってしまう事があります。

そうならない為にも、会議中は自分が一番メモを取りやすい方法で、抜けなく話し合いの事項をメモしておく事。また、ボイスレコーダーを取っておく事も有効です。できる限り、会議中に提出用のフォーマットでまとめるのではなく、事前にメモを取っておき、後から丁寧にまとめる癖をつけましょう。

② 5W1Hが明確に記載されていない
「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どの様に」という5W1Hは、議事録を見やすく、わかりやすい物にする為には意識して書かなければいけません。ですが、意外とこの6つが抜けている事がありますので、注意しましょう。こちらも例を記載します。
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<悪い例>※飲食店の集客アップの為の打ち合わせにて
【土曜日の集客について】
原状カップル、家族のお客さんが多い。
今後やってみたいものとして、30~40代キャリアウーマンなどを狙った女子会などの打ち出し(プランなど)を検討していきたい。

<良い例>※飲食店の集客アップの為の打ち合わせにて
【土曜日の集客低迷の改善策について】
現状)客層としては、カップル・家族のお客様層が7割を占めている
対策新たな客層をターゲットに検討する必要がある。例えば、店舗の客単価・立地を考慮すると、30代〜40代のキャリアウーマン等を狙った、女子会といった新たなプランの打ち出しが効果的との事。
次回の課題次回、2月8日の会議まで〇〇が周辺競合の調査結果を報告。具体的には「価格帯」を軸に、当店の競合店が打ち出しているプラン・集客状況などを媒体担当者からヒアリングし、まとめる。

こちらのまとめた資料を元に、新たなターゲット層の選定・新たなプランの検討を次回の会議にて同メンバーで話し合う。
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悪い例では、何の為の打ち合わせだったのかが全く把握ができない。また、5W1Hがしっかり明記されておらず、次のアクションが想定できないものになっている為、記録として残す議事録としては不十分です。

5W1Hを意識して修正すると、良い例の様になりました。こうする事で、「会議では何が話し合われ」「具体的に次に何をすれば良いのか」が明確になります。

③ 話しあった事実がまとめられず、そのまま議事録に反映されている
指摘されるポイントとして最も多いのが、こちらの項目ではないでしょうか。事実をひたすら議事録に記録しており、簡潔に要点がまとまっていない議事録を作ってしまうと、上司から指摘されてしまう事も多々あるかもしれません。

こちらでは、極端な例を記載します。

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<悪い例>
(ユーザーA氏)
・「アウトバンド業務の特徴としては、実際に電話をこちらからかけるわけですから、こちらが伝えたいことをきちんと伝えるスキル、それと、お客さまのおっしゃっていることをきちんとお聞きするスキル、特にお客さまがお話しされているのにかぶせて、お話するなんてことは多々みられます、実際に営業電話をかけて、目的を達成するためには、言葉のキャッチボールをうまく延々やって行く必要があります。特にお客さまにとって、アウトバウンド電話は必要のないものであり、聴いていただくためには延々お客さまにとってのメリットを強調したり、それからお客さまの心に沿わないようなお話をしないスキルが必要になります」

<良い例>
アウトバウンド業務について
アウトバウンド業務で必要となる特徴的なスキルは以下の3点です。
(ユーザーA氏)
・当社が伝えたいことをきちんとお客さまに伝えるスキル
・お客さまのおっしゃっていることをきちんとお聞きするスキル
〜お客さまの話にかぶせて、話す場合が散見される
・お客さまと言葉のキャッチボールを上手に実施できるスキル
〜お客さまのメリットを強調し、心に沿わない様なお話をしない
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悪い例では、確かに真実が記録されておりますが、議事録としては相応しくありません。必要に応じて、内容をまとめ・文章を省き、シンプルに見やすくまとめる必要があります。まとめるにあたって、自分の言葉を足したり、別の言葉に言い換える必要もあるかもしれません。

恐らくこの「まとめる」という作業が議事録を書く上で一番苦労する所かと思いますが、まとめ終えてから上司に内容の真偽を確認してもらう、という作業を挟んで経験を積んで行くことが大切になります。

引用URL: http://www.insource.co.jp/businessbunsho/bus_bunreishu_gijiroku.html
(上司が”唸る“議事録の書き方)

3、使える議事録フォーマット

それでは最後に、参考にできるオススメの議事録のフォーマットをいくつかご紹介します。このフォーマットに沿ってまとめれば、簡単にわかりやすく議事録が作れるようになりますが、より見やすいようにアレンジしても大丈夫です。シンプルでわかりやすい物をご紹介しますので、ぜひご活用ください。

【部署内会議などに活用できるテンプレート】
引用:http://www.template-sozai.com/template/126

こちらは予め内容が後からでも見やすく、わかりやすいフォーマットになっているので、比較的簡単にまとめる事ができます。いきなりこのテンプレートに書くのではなく、事前にメモを取った内容を、このフォーマット内にまとめるだけで様々な会議に活用できます。

【議題がいくつか複数ある場合に活用できるテンプレート】
引用:http://template.k-solution.info/2006/03/01_4.html

議題がいくつかある場合は、エクセルで「No.」を付けて見やすく揃えてあげると、後から見返してもわかりやすいものになります。最後にこの会議の要約をプラスして付け加えると、見やすい議事録が簡単に作れます。

また、更に細かい所でいうと、予め会議で話される内容(例えば「検討事項」「決定事項」「次回課題」等)は事前にメモのフォーマットで用意しておくと良いですよ。メモを取りながら「何が決まったのか」が明確に把握できますし、後からまとめる際も時間短縮にも繋がります。

 

4、まとめ

議事録を上手にまとめる事ができるというは、その人のビジネススキルをアピールすることにも繋がります。「必要な事項」を「わかりやすく」「シンプル」にまとめる事が大切になりますが、苦手意識を持たずに何度か経験を積む事で、誰でも上司から褒められる議事録は作れるようになります。

特に新卒や若手社員に振られる事が多い「議事録係」ですが、このチャンスを最大限に生かして、上司から褒められる議事録を作ってください。