ビジネスの場における新年の挨拶、つい流れ作業でやっていませんか?
昨年お世話になった取引先の方や付き合いのある会社の方に、心を込めて新年の挨拶をすることで、1年を気持ちよくスタートすることができます。
また、良好な関係を築く事はビジネスの成功にも繋がります。
「丁寧に接してくれているんだな」
「自社のことを大切に思ってくれている」
「この人とは長く付き合っていきたい」
と思ってもらえるような新年の挨拶の一工夫とは?
この記事では、新年の挨拶に関するマナーや一工夫をメール編/訪問編と分けて紹介していきます。
作業と考えるのではなく、相手を思う気持ちを形にすることに重点を置きましょう。
1.【メール編】新年の挨拶メール、相手の心に残るためには?
1-1.使ってはいけない言葉って?注意点を紹介
1-2.他と差がつく!新年に贈る挨拶メールの例文
2.【訪問編】新年の挨拶回り、気を付けたい点とは?
2-1.ポイントを押さえよう!新年の挨拶に行く際のマナー
2-2.手土産は何を持っていけばいいの?
3.まとめ
1.【メール編】新年の挨拶メール、相手の心に残るためには?
この章では、ビジネスの場における新年の挨拶メールの基本マナー・注意点と例文を紹介していきます。小さな工夫で、他と差をつけることのできる内容になります。注意点を抑えつつ、相手に気持ちが伝わるような内容とは?
1-1.使ってはいけない言葉って?注意点を紹介
ここでは新年の挨拶メールに関する注意点を紹介していきます。
■新年の挨拶メールを送る時期は?
送り先の営業開始日に合わせて送ることをお勧めします。
つい流れ作業で自社の営業開始日に送ってしまいがちですが、「先方の営業開始日」に合わせて送ることで、相手のスケジュールを把握した上で丁寧に接していることが伝わります。時間帯は早朝だと多くのメールが届く中に埋もれてしまうので、お昼過ぎがベストです。
些細なことかもしれませんが、そういった小さな積み重ねでワンランク上の心遣いができる人になります。忘れてしまいそうな場合は送信予約をしておくと便利です。
新年の挨拶というのは、【松の内(1月7日)】までに行うことが基本です。地域(主に関西)によっては小正月15日までを松の内としていることもあるので、その地域のルールに従いましょう。
それ以降で年明けに初めてやり取りをする際は「明けましておめでとうございます。」ではなく「今年もよろしくお願いします。」と記載します。
■新年の挨拶メールで使ってはいけない言葉
つい「去年はお世話になりました」という言葉を使ってしまいがちですが、「去」という言葉は忌み言葉に当たるため、縁起が悪いので使用しないようにしましょう。
新年の挨拶では「昨年」「旧年」と言い換えるのが正しい日本語です。
また、お祝いの言葉「賀詞」の使い方にも注意が必要です。
賀詞を二つ以上用いるのはNG。たとえば「新年」と「明けまして」は重複してしまうので、「新年おめでとうございます」か「明けましておめでとうございます」と言い換えるのが正しい日本語です。
賀詞は使う相手によって変える必要があります。
「寿」「賀」「賀正」「賀春」「迎春」などの二文字以下のものは目下の人に使うものです。「謹賀新年」「恭賀新年」など四文字の物は目上の人に使うものですが、メールでいきなり四文字の賀詞があると違和感があるので、メールでは使用しないようにしましょう。
<◎メールに最適なもの>
「謹んで新年のお慶びを申し上げます」
「明けましておめでとうございます」
「謹んで新年をお祝いします」
「新年おめでとうございます」
「新春のお慶びを申し上げます」
「謹んで初春のお慶びを申し上げます」
「謹んで新春のご祝詞を申し上げます」
「年頭にあたり新年のお祝辞を申し上げます。」
<×目下の人に使うもの>
「寿」「賀」「春」「禧」「賀正」「賀春」「頌春」「迎春」「慶春」「寿春」「初春」「新春」
<△目上の人に使うもの(メールでは違和感があるので避ける)>
「謹賀新年」(意味:謹んで新年をお祝いいたします)
「恭賀新年」(意味:うやうやしく新年のお祝いを申し上げます)
■件名に注意!
「新年の御挨拶 株式会社〇〇 名前」と名前を記載することを忘れないようにしましょう。
メールに件名を入れることはビジネスマナーにおいて基本中の基本ですが、年末年始はウィルスメールが多くなる時期です。
また、年始は沢山のメールが届いています。その中でも、重要なメールから先に開いていくので「挨拶のみ」ということが伝わるようにしましょう。
例)
・新年のご挨拶申し上げます【株式会社〇〇 名前】
・年始のごあいさつ【株式会社〇〇 名前】
・【新年のご挨拶】本年も宜しくお願い致します。株式会社〇〇名前
■宛名は部署までしっかりと書く
新年の挨拶メールでは、改めて「株式会社〇〇 △△部 △△担当 ××××様」と正式名称を記載しましょう。
ビジネスメールでは必ず冒頭に「株式会社〇〇 ××様」と記載しますが、普段の業務連絡の場合は省略しがちです。
新年の挨拶として送る際には改めて部署や担当まで記載することで「節目のときにはキチンと挨拶できる人なんだな」と思ってもらえるでしょう。
■一斉送信はしない
BCCで一斉送信されたメールは、文面などから察せられてしまいます。少し面倒ではありますが、大まかな部分はコピペして、宛名やエピソードを変えるなど、貰って嬉しいと思えるような内容にすることが大切です。
自分のために書いてくれたことがわかるとより丁寧な印象になり、新年から気持ちよく仕事を進めることができます。
1-2.他と差がつく!新年に贈る挨拶メールの例文
新年の挨拶メールには下記の5つの項目を記載します。
①相手の部署まで入れた名前
②新年の挨拶言葉/旧年はお世話になりましたという内容
③相手とのエピソード
④相手を気遣う一言
⑤本年もよろしくお願いしますという内容
相手に「この人とは長くお付き合いしたい」「丁寧に接してくれているな」と思ってもらえるためには、③の相手とのエピソードを入れることが重要です。
仕事に関してお世話になったこと、プライベートでお世話になった話などを添えることで、貰った相手は自分のために送ってくれたことが分かり、相手の心に残るメールとなります。
そういったことをやらない人が多い中でやることで、他と差をつけることができます。
また、営業日開始日を本文に入れると「業務メール」の印象が強くなってしまう場合があります。入れるとしたら、最後の署名の欄に「2018年度営業開始日:1月〇日(〇曜)」とさりげなく入れましょう。
ビフォーアフターを参考にしてみてください。
・ビフォー
株式会社〇〇
××××様
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
本年も、より一層のご支援を賜りますよう、従業員一同心よりお願い申し上げます。
メールにて恐縮ではございますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げ、年始のご挨拶とさせて頂きます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
・アフター
株式会社〇〇
△△部 ××××様
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
本年も引き続き、◯◯プロジェクトでお世話になります。
この大きなプロジェクトの総仕上げの年となりますので、気持ちを引き締めて更に努力する所存です。
一層のご指導ご鞭撻をいただければ幸いです。
ご多忙の折りではございますが、くれぐれもご自愛くださいませ。
メールにて恐縮ではございますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げ、年始のご挨拶とさせて頂きます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
エピソードを入れることにより、より気持ちが伝わる内容になったことが分かります。体を気遣う一言など、ちょっとした工夫をするだけで大きく印象が変わりますね。
前項で紹介した点にも注意しながら、①~⑤の項目を入れた例文をご紹介します。
例文1
株式会社〇〇
△△部 ××××様
新年おめでとうございます。
旧年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり、誠にありがとうございました。
年末年始は◯◯様に教えていただきました本がとても面白く、休みの間読みふけっておりました。特に〇〇の箇所では日ごろの業務に行かせるヒントを多く学ばせていただきました。誠に、ありがとうございます。
本年も一層の努力を重ね、さらなる飛躍の年にするために励んでまいります。
寒さ厳しい折、体調をくずされませぬようお気をつけください。
最後になりましたが、貴社の益々のご発展とご健勝をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。
本年も、より一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
例文2
株式会社〇〇
△△部 ××××様
年頭にあたり新年のお祝辞を申し上げます。
昨年は色々とご教示ご鞭撻を賜り心からお礼申し上げます。
〇〇の件では、ご助言を頂き、誠にありがとうございました。××様には、いつもこちらの状況を気遣ってくださり、大変助かっております。
本年も社員一同、皆様にご満足頂けるサービスを心がける所存でございますので、 何とぞ昨年同様のご愛顧を賜わりますよう、お願い申し上げます。
寒さが厳しい時節柄一層のご自愛の程お祈り申し上げます。
皆様には輝かしい新年を迎えますますのご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
2.【訪問編】新年の挨拶回り、気を付けたい点とは?
特にお世話になっているお付き合いのある方には、メールだけで挨拶を済ませるのではなく直接訪問して挨拶をするようにしましょう。
この章では、新年の挨拶回りのマナーと、手土産に関して紹介していきます。
新年の挨拶回りで「この人とは長くお付き合いしたい」と思ってもらえる方法とは?実際の現役営業マンに聞いた内容を基に紹介していきます。
2-1.ポイントを押さえよう!新年の挨拶に行く際のマナー
新年の挨拶回りには押さえておきたいポイントがいくつかあります。そのポイント、注意点さえ押さえておけば安心して訪問することができます。
■挨拶に行く時期と滞在時間
年始は何かと忙しいので、相手の営業開始日当日は避けましょう。
1章で紹介したように、新年の挨拶は松の内(1月7日、地域によっては1月15日)までに行うことが基本です。遅くても営業開始日から1週間の間に伺うようにしましょう。
また、年始の忙しい時期に訪問するので、長々と滞在するのは相手に失礼になります。長くても15分ほどを目安にします。「次の約束がありますので」と早めに引き上げましょう。
■アポイントを取る
新年の挨拶で伺う前に、必ず事前にアポイントを取りましょう。挨拶メールを送る際に都合のいい日時を聞くか、電話で事前に連絡を入れます。先方も挨拶回りをしている可能性が高いため、「挨拶だけでも」ということを伝えるようにします。
■不在の時は?
アポイントを取っていても、年始の忙しい時期なのですれ違いになってしまい、会えないこともあります。そんな時は名刺に「謹賀新年」などのハンコを押して受付の方に渡しましょう。その際は、印が曲がっていたり名刺が汚れていたりすると相手に失礼に当たるため、必ず綺麗な名刺を選び、綺麗に印を押しましょう。
ネットでも1000円ほどで購入することができるので、年末のうちに購入をしておくと便利です。
https://item.rakuten.co.jp/stampbox/41900_nenga/
■挨拶の際にもエピソードを
実際に訪問した際は、新年の挨拶をすると共に、メールと同様に相手とのエピソードを話しましょう。メールで送った内容を改めて言葉で伝えるのも良し、違った話題を広げるのもいいですね。
昨年お世話になったプロジェクトの件、あの時は助けていただいたというエピソード、プライベートで家族が増えた話、など相手との共通の話をしましょう。できれば、おめでたい話だと尚いいです。そのうえで、今年はもっと相手との結束を高めていきたいという意思や、今後とも引き続き良い関係性を持続していきたいという気持ちを伝え、本年も宜しくお願い致します、で締めます。
先方の好きなスポーツの動向をチェックしておいて、話に出すのも喜ばれます。どちらにしても相手のことを思いやった内容の話をしましょう。
2-2.手土産は何を持っていけばいいの?
新年の挨拶に出向く際、手ぶらで良いものか迷いますよね。お歳暮を贈っている場合は手ぶらでも問題ありません。
年末の挨拶はカレンダーで、年始の挨拶はタオルというのが最も一般的かと思います。年賀タオルはシンプルなものから、その年の干支の絵が描いてあるものまでいろいろな種類があります。女性社員が多い会社さんには干支タオルが喜ばれます。
参考にしてみてください。
・UCHINO年賀干支タオル10枚セット(3,240円)
http://ur0.pw/HFJM
・2018年干支タオル(1枚あたり113~184円)
https://item.rakuten.co.jp/watagumo/10001233-2/#10001233-2
■菓子折りを持っていく場合の選び方
長年の深いお付き合いのある相手や、社長などの代表にアポイントを取って挨拶に行く際は、菓子折りを持っていきましょう。
菓子折り選びのポイントとしては、会社のみんなで食べられるもの(一つ一つ梱包されているものなど)や日持ちするもの(生菓子などではなく、クッキーやお煎餅など)が喜ばれます。逆にケーキやフルーツなどの切り分けが大変なものは面倒になってしまうので避けましょう。金額の相場は大体3000~5000円ほどです。
一番は「相手のことを思った物」が喜ばれます。先方の好みや社員の年齢層など日ごろの会話をヒントにして選んでくれたものは、ちゃんと自社と向き合ってくれていると感じるものです。
また、新年にちなんでおめでたい菓子折りを選ぶと、グッとセンスの良さを感じます。新年の挨拶に持っていくものなので、和菓子がいいでしょう。いくつか紹介するので、参考にしてみてください。
・紅白満願成就(まんがんじょうじゅ)20匹入り(税込み2,029円)
http://www.bairindo.co.jp/products/detail.php?product_id=464
・銘菓 起き上がり最中20個入り(税別3,230円)
https://www.rakuten.co.jp/okiagari/
・とらや 小形羊羹 10本入 (戌) 2018年(初期設定価格:2,700円)
http://ur0.pw/HFJS
・2018年 お正月どら焼き もじどら 10個入り(税込3,240円)
https://www.aionline-japan.com/item/itemgenre/do035/
■のし紙はどうすれば?
お店で購入する際やネットでお取り寄せをする際、のし紙はどうすればいいのか迷いますよね。
年始に渡すお年賀は、“何度でも繰り返していいお祝い”なので、紅白蝶結びののしを用います。表書きは「御年賀」や「御年始」が一般的ですが、場合によっては「賀正」と入れることもあります。
紅白蝶結びの下には会社名を入れましょう。
■渡す際のマナー
手土産を渡す際は、紙袋から品物の箱を取り出して表書きが見えるよう、相手に品物の正面を向けて渡します。
その際に、「心ばかりのものですが」「ほんの気持ちですが」に続けて「よろしければ皆さんで召し上がってください」と一言添えましょう。
持参した際の紙袋は持ち帰ることがマナーですが、先方が持ち運びにくそうと感じたら「よろしければお使いください」と差し出しましょう。状況によって臨機応変に対応しましょう。
3.まとめ
いかがでしたか。
新年の挨拶には様々な作法がありますが、気持ちを伝えるということに重点を置くとメールの文章や菓子折りの選定基準などが決まってきます。
ワンランク上の新年の挨拶で、気持ちよく1年のスタートを切りましょう。
参考元サイト一覧
・http://www.gashun.com/manner.html(賀春.com)
・https://www.obcnet.jp/joho/kokoroe/kokoroe-06.html(基本を極めるビジネスの心得)
・http://da-inn.com/nenshimawari-35825/(季節お役立ち情報局)
・http://manners-mind.com/447.html(マナーはこころ)