報連相のタイミイングの判断や指示方法を見直してビジネスコミュニケーションを活性化させよう!

コミュニケーション

部下からの報告が足りない、無駄が多い、何を伝えているのかわからないなど報連相がうまく機能していないと感じることはありませんか?

報連相とは「報告」「連絡」「相談」の頭文字をまとめた言葉です。
仕事を進めていくうえで必要なコミュニケーションになります。
使いこなすことでコミュニケーションを円滑にし、効率よく仕事をすることができます。

しかし、報連相ができていない方は多くいます。
部下からの報連相が足りてない、無駄が多いなあ、と思うことがあったり、自分の指示がうまく伝わっていなかったことを、部下からの報告で初めて知ったりすることもあるでしょう。

今回はそんな報連相とうまく付き合っていくための方法を紹介します。
報連相は、する側と受ける側に分かれます。する側には最も難しいタイミングの判断方法、受ける側には、報連相を受けやすくする指示だしの方法や研修をご紹介いたします。
チームの報連相に不安を感じている方、自分の報連相に自信のない方はぜひ参考にしてみてください。

1.上司に嫌われない報連相の方法とは?
 1-1.自分の報連相を見直してみよう
 1-2.報連相を円滑に行うポイントは2つ!
2.チームで報連相が活発になる体制の作り方
 2-1.いまの報連相の体制をチェックしてみよう
 2-2.報連相がうまく機能する体制の整え方
3.今日からできる報連相の鍛え方
 3-1.今日からできる!報連相改善方法
 3-2.研修を開催する
4.まとめ

1.上司に嫌われない報連相の方法とは?


この章では、新入社員や若手社員に向けた上司に嫌われない報連相の方法を教えます。
方法を知る前にまずは自分の報連相のやり方を見直すことも大切です。
報連相ができるということ=仕事を安心して任せられるということです。
上司から見れば報連相をしない人は仕事を進めているのか不安になり、プロジェクトが進んでいるのか、どうなっているのかわからずストレスになってしまいます。
そこで自分の報連相を見直すチェックシートと報連相を行う上で起きがちな問題の解決方法の2つを紹介していきます。

1-1.自分の報連相を見直してみよう

以下に示す内容にチェックがつけば、自分の報連相に問題点があるということになります。
その問題を直すだけでも報告を受ける側もストレスなく情報を知れますので確認してみましょう。

▼報連相をする側

<タイミング>

□報告のタイミングを自分自身の判断で決めている
(業務が完了してから・結果が出てからと結果のみ報告し、経過についての報告をしていないことがある)
□自分のミスにされると考えて報告を行わないことがある
□上司の顔色や状況に左右されてタイミングを見失うことがよくある

<伝え方>

□伝達事項の内容を自分の中で整理できないまま伝えてしまう
□報告を行う際に、5W1Hを意識せず伝えている
□つい「すみません」「とりあえず」などの言葉を先に発してしまう
□つい「まだーーです」など言い訳と聞き取れる発言をしてしまう
□質問されたことに対してまわりくどく答えがちである
(「Yes・No」の質問に事の理由や背景を話してしまう)

上記のチェック項目にいくつか当てはまった方は要注意です。
また、タイミングと伝え方、どちらのチェックが多かったかにも注目してください。

新入社員や若手社員が報連相で抱える悩みは、伝えるタイミングの判断です。
そして潜在的にできていないのが、その伝え方です。
では次にその解決方法を紹介していきます。

1-2.報連相を円滑に行うポイントは2つ!

実際に上司のタイミングの判断は、月日をかけてコミュニケーションを取っていかないとわからないことが多いです。
とはいえ、自分の心がけで改善していける部分があります。

<①タイミングの判断>自分の中で報告のルールを作る
自分の中でルールを作ることでタイミングを自分で測り、アクションに踏み出せるようにするといいでしょう。
どんなルールがいいかいくつか例を挙げます。

・30分間悩んだら相談する
仕事をしていて何かわからないことや質問が出てくるかと思います。
しかし、こんなこと聞いてもいいのだろうか。と不安になって悩んでいることが時間の無駄になります。そこで30分間自分の中で考え、わからない部分を相談してみると良いでしょう。

・アクションを起こす前に「報告」をする
プロジェクトを動かしたり、スケジュールを変更したり、契約を交わすなど、何か重要なアクションを行う前に報告を行う癖を付けましょう。
あらかじめに報告を行うことで間違った方向に進んだり、トラブルが起きたりすることを未然に防ぐ効果があります。

例:)
・何かの契約を交わす際の契約前に報告
・納期が遅れるとわかったタイミングでの報告

自分が間違った方向へ進むのを防ぎ、かつトラブルをケアする時間を無駄にしないテクニックです。

▼伝わりやすい報告文の作り方

報告内容に関して注意すべき点は下記の点をはっきりさせることです。
一度報告内容を自分の中で整理してからにしましょう。
・今どういう状況なのか
・何がわからないのか
・自分はどう考えたのか
・相談者にどうして欲しいのか
(考えが合っているのか確認してほしい、選択して欲しいなど)

伝えるときに注意すべきこと
報告の手段はメールか口頭かの2種類に分かれると思います。
どちらも共通していますので、ぜひ参考にしてみてください。
・なんの連絡なのか
「相談」「報告」「確認」「把握」「共有」など、何をその人に伝えたいのかをはっきりさせます。
受け手の負担を先に伝えることが大切です。
・要件
簡潔にまとめるよう心がけましょう。
受け手の時間を割いてもらっていることを意識し、内容はいかに考えさせずに伝えるかを考えましょう。
文書だけでなく資料が必要であれば別途作成しておきましょう。
・受け手にどうしてほしいのか
判断を仰ぐのか、作業や仕事を依頼するのかなど、受け手にどうしてほしいかを記述しましょう。
★ダメな報告内容

○○様より△△の件でご連絡を頂きました。
ご対応をお願いします。

★伝わりやすく改良した報告内容

○○様より△△の件をお電話にてご連絡を頂きましたので報告いたします。
現在××という状況とのことで、至急ご連絡を頂戴したいそうです。
下記の連絡先へご連絡お願い致します。
TEL:00-0000-0000

<②伝え方>自分の頭の中で整理をする
・伝える言葉を考える
ありがちな報告として、「〇〇の件はどうなっていますか」という質問に対して経緯から話してしまうことがあります。結論から先に述べる意識をしてみましょう。
この質問では「終わっている・作業段階である」と現状を伝えるべきです。

・反論ととらえられる言葉は選ばないようにする
つい、「でも」など先に否定を述べる言葉を選んでいませんか?使いたくなる気持ちはわかりますが、初めに否定語を持ってくることは反論を意味するため、相手の聞く態度にも変化が出てしまいます。
円滑なコミュニケーションをとるために使いどころに気を付けましょう。

2.チームで報連相が活発になる体制の作り方

こちらの章では、報連相を受ける側の立場が、部下からの報連相を受け取りやすくするための方法を教えます。
スムーズなコミュニケーションのためには、報連相を受ける側の配慮が大切ですので参考にしてください。

2-1.いまの報連相の体制をチェックしてみよう

報連相をもらうために部下への指示や伝え方はどうしていますか?チェックリストを通して今までの体制を見直してみましょう。

▼報告される側

<部下への指示>

□部下への指示が曖昧になっていることがある
例:)何か問題が起きたら報告してなど曖昧に伝えている
□どのタイミングで報告するかを明確に指示していない
□どんなフォーマットで報告するかなど、ルールを明確にしていない

<報連相を受ける対応>

□「後でにして」「今忙しいから」など態度が高圧的になっていることがある
□個人間のやり取りのみ行い、内容をチームに共有できていない

自分が報告を受ける側になると、2章であげていた報連相をする側がタイミングの判断が難しくなる理由がわかるかと思います。
自分の態度や、指示の内容を見直してみましょう。
では、その対応や指示をどうしたらいいのか、具体的に紹介していきます。

2-2.報連相がうまく機能する体制の整え方

意識すべきことは、報連相をする側の部下に「報告しやすい環境」を与えることです。
具体的には下記のような点に注意してみてください。

・自分の聞く体制を整える
部下の報連相をむやみに断らないことを日頃から心がけましょう。
「今は忙しいから後にして」「時間がない」等の発言はなるべく控えるようにしましょう。
コミュニケーションに否定的な態度は、部下に「報告しないほうがいいかもしれない」と思わせるきっかけになってしまう可能性があります。

・教育として指導する
報連相のしすぎは問題ないことを伝えましょう。
面談を行い、実際の部下の行動を例にどこで報告すべきかなど共有すると具体的でわかりやすいです。
報連相のくせをつけるためにもこまめに行うことを指導するように心がけましょう。

・指示を的確にする
「問題が起きたら報告して」とざっくり伝えるのではなく、「作業の始めと終わりに報告をして」などはじめは細かく指示すると効果的です。
また、いつまでに報告させるかを指示し、相手に決めさせることで指示者へもほどよくプレッシャーがかかり、期日内の報告を目指して取り組んでくれるでしょう。

報連相を受ける側は、報告者にいかに報告させる環境をつくるかが大切です。
報告者側は、先述のとおりタイミングの判断が難しいため、新入社員が配属になった場合などは、報連相のタイミングを指示できるようにしてあげましょう。

3.今日からできる報連相の鍛え方

こちらは、主に報連相を受ける側の上司や中堅層社員の方たちが部下に報連相をしてもらうためのトレーニングや意識づくりとして取り組める内容を紹介します。

3-1.今日からできる!報連相改善方法

今すぐにでも部下の報連相を改善したいと考えている方は、今日からでも取り入れられる下記の方法を実施してみましょう。
部下の業務を日常的に報告させることで報告の癖を身につけます。
また、部下の業務量の把握もできるため、効果的です。
・日報
・業務予定表
・タスク管理
・朝礼、終礼
・面談

【日報・業務予定表・タスク管理】
一日の業務内容や予定を記載することで、自然とその日の業務について報告することになります。
上司も部下もスケジュールを把握していることで、このプロジェクトが止まっている等の報告を受けやすくなります。
また、上司も把握できるため、「あの要件どうなってる?」など部下に確認をとることができます。
まだ、報連相になれていない新入社員に取り組ませることがおすすめです。

【終礼・朝礼】
終礼・朝礼は、どちらか一つでも有効的です。
一人一人の業務タスクやその日取り組んだ業務を全員が顔を合わせて共有することができます。
個人業務になりがちで、業務内容を全員で共有したいと考えているチームには、おすすめです。

【面談】
日報などの業務報告からもうまく報連相が機能しなければ、面談を定期的に行うと良いでしょう。そこで、報連相のタイミングを共有していくことで報連相しやすい環境を作ることができます。

3-2.研修を開催する

報連相をする上でチーム全体の意識を変えようとしてもなかなか時間をかけて変えていくことは難しいと思います。
ですが、報連相は仕事をスムーズに進めるために重要なもののため、時間を割いてでも改善する価値があります。
そこで大きく時間を割いて研修をしてみてはいかがでしょうか。

この章では、報連相の大切さや考え方が学べる研修内容をご紹介いたします。
自分のチームの意識を変えたい、報連相のスキルをあげたい方はぜひ参考にしてみてください。

▼ゲーム形式

報連相をゲーム形式で行う研修は、グループワークで伝え方を実践的に学べるものが多いです。コンサルティング会社に依頼したり、やり方を参考にして真似してみたりしてください。

・部課長ゲーム

http://heart-quake.com/article.php?p=3324

株式会社ハートクエイクが提案する部課長ゲームは、実際のビジネスの現場を模倣した報連相が学べる研修になっています。

◆効果
自分の実際の立場と違う役職で行うと、報連相の重要性や認識を再確認することができます。
実際の現場で使える内容ですので、チーム内で報連相を見直したいと考えている方にお勧めです。

◆ルール
部長役、課長役、平社員役を作り、部長だけがゲームの目的を知っています。
コミュニケーションが制限されている中で部長→課長→平社員もしくは、平社員→課長→部長と、ルートをまもってコミュニケーションをしてゲームのミッションをクリアしていきます。
部課長ゲームの詳細はこちらを参考にしてください。
http://heart-quake.com/article.php?p=3324

・報連相ゲーム
「報告ゲーム」
図形を覚えて、言葉だけで伝えて再現するゲームです。
聞き手と説明者に分かれて行います。

◆効果
何も知らない聞き手に対して言葉のみで伝える難しさを体感してもらい、相手に伝える力を身に付けることができます。

◆ルール
①説明者は1分間で図形を覚えます。
②ジェスチャーなしの言葉のみで聞き手へ覚えた図形を教えます。
③聞き手は説明者から聞いた言葉を頼りに図形を完成させます。

「連絡ゲーム」
9つのマスに書かれている図形を伝言ゲームのように伝えていくゲームです。
チームに分かれて行います。

◆効果
書かれた用紙から1分間置くことでみたものや聞いたものを即座に理解する力を養います。
実際の現場でいうと、電話応対の力に似ているかと思います。
相手の言葉を瞬時に理解し、さらに相手に伝える力を身に付けることができるでしょう。

◆ルール
①図形を1分間で覚え、回答が書かれた用紙を回収してから1分間おきます。
②1分後次の順番の人に口頭で図形を伝え、完成させていきます。

4.まとめ

いかがでしたか。報連相は社会人になれば誰もが使っていかなければならないコミュニケーションの一つです。
報連相ができていれば、信頼へと繋がる大切なビジネスのやり方の一つですので、自分の問題点を知って活かせるようになっていただきたいと思います。