【実例付き】社内SNS導入を考える人が最大限活用する為に読むべきノウハウ本!

コミュニケーション

TwitterなどのSNSを当たり前に使うようになった現代、プライベートだけでなくSNS機能を職場に取り入れた「社内SNS」が注目されているのをご存知ですか?
社内SNSは同じ会社の社員内で利用するSNSで、社内でのコミュニケーション不足が問題になっている会社や、情報をすばやくキャッチしたい企業などで導入されています。
実際、2013年度で社内SNS導入率は16.5%となっており、どんどん市場規模が広がっているサービスです。
今回はそんな社内SNSとは何か、そのメリットやおすすめの社内SNS、失敗事例から成功させるための方法まで、社内SNSに関する情報をくわしくご紹介します。

1、社内SNSとは社内限定で利用するSNS
 1-1.社内SNSの目的
 1-2.導入するメリットとデメリット
2、導入事例付き社内SNSツール5選
3、失敗事例とその理由
4、まとめ

1、社内SNSとは社内限定で利用するSNS

社内SNSとは、ずばり社内限定で利用するSNSです。
しかし、プライベートのSNSとは違って、社内SNSは業務の効率化のツールとして、メンバーのスケジュール管理や知識、情報の共有に使用しているところが多いです。

たとえば複数の支店や店舗がある大きな企業だと、社内に誰がいるのか把握しきれず、顔が思い出せないとの問題が持ち上がることも。
いわゆるグループウェアでのメールは上司から部下への一斉送信が基本。
ですが、社内SNSならLINEのグループのように、上下関係や部署に限定されないため全体への連絡が簡単にできることから、いろいろな社員同士での交流が容易なのです。

こういった企業もさまざまなソーシャルネットワーキングサービスを、まとめて「社内SNS」と呼んでいます。
プライベートでも日常的に使用している「Facebook」や「LINE」のようなものだと考えると、イメージしやすいかと思います。

1-1.社内SNSの目的

まずは社内SNSはどんな目的で取り入れられているのか、以下に社内SNSの導入をおすすめしたい企業の特徴をまとめました。

〇社内SNSはこのような悩みを持つ企業におすすめ

・コミュニケーション量が低下している

会社内で部下や上司とのコミュニケーションを円滑にしたい、また社員が増えてきて顔が覚えきれないなど、社員同士の関係で悩みを抱えている企業に社内SNSは有効です。
特に若者はコミュニケーション能力が低下していると言われており、意思疎通がスムーズにできないと業務にまで影響が出る可能性も考えられます。

そこで、社内SNSであればメールよりも堅苦しくなく、短時間で上司や部下、ほかの部署にまで自分が伝えたい情報を発信できます。
社員同士の接点が増えるだけでなく、電話ができない社内での連絡手段でも社内SNSは役立つのです。

・メールの削減をしたい

これまで業務連絡と言えば、電話とメールが中心に使われてきました。
そんなメールは一人平均で200件あたり、価値があるものは15%程度しかないとのデータがあります。
しかも、これらのメールの閲覧や削除、整理などにとられる時間は週5~20時間にもなると考えられています。
社内SNSならこのような作業の手間を省き、知りたい情報にさっと目を通せる手軽さがあります。
つまり社内SNSの導入は不要メールを減らし、業務の円滑な遂行にもつながっていくのです。

・社員のモチベーションを高めたい

社内SNSはとにかくメールよりも情報が新鮮で、小さな情報まで共有できるのも大きな特徴。
ほかの社員が今何をしているか、どんな考えを持っているのかがいつでも確認でき、まわりの努力や考えを見て取れます。
仕事はたまに孤独を感じることもありますが、社内SNSはTwitterのように身近なものだらかこそ、ほかの社員とのやり取りによってモチベーション維持につながっていきます。

・新しいアイデアを生み出したい

社内SNSはほかの部署同士でも手軽に情報のやり取りができるツールです。
だからこそ、自分の部署では思いつかないようなアイデアを、ほかの部署から提案される可能性もあるのです。
実際、社内SNSを導入している企業の「JT」では、ほかの部署からアイデアの発信があり、新しい事業へつながっていく成功例を発表しています。

〇コミュニケーションの活性化で社内SNSが役立つ理由

ここまで社内SNSの効果をご紹介してきましたが、社員同士のコミュニケーション能力を高めたり、新しいアイデアを発信させたりするには、ほかにもチームビルディングに取り組んだり、飲み会を開いたりほかの方法でも可能です。

これらとくらべて社内SNSは何がいいのか、その理由は以下の比較表をご確認ください。

 

このように、社内SNSはコミュニケーションの活性化および、新しいアイデアを生むきっかけのツールになります。
費用もチームビルディングとくらべて安く済むこともあり、持続性にも優れているのが魅力です。

一度実行したら効果が薄れていく飲み会やチームビルディングとくらべて、Facebookのように社員の様子がSNSで見られ、コミュニケーションがとりやすい環境なのも社内SNSならではなのです。

1-2.導入するメリットとデメリット

ここまでの情報のもと、導入するメリット、デメリットを改めてまとめてみました。

【メリット】

・無料のツールがあり低コストからはじめやすい
・社内間のコミュニケーション量を増やせる
・上司からのフィードバックが早くなり円滑な業務につながる
・異なる部門ともコミュニケーションがとりやすい

【デメリット】

・ツールの導入時は一時的に作業パフォーマンスが低下する
・ソーシャル疲れが起こる可能性がある
・同じ人しか使わない可能性がある
・社員一人ひとりが運用方法を理解する手間がかかる

社内SNSはコミュニケーションの活発化が見込めますが、それと同時に導入後システムに社員が慣れるまでにそれなりの時間を要します。
この導入がうまくいかないと、結局特定の人物しかSNSを利用せず、盛り上がりのないタイムラインになる可能性も。
導入に失敗するリスクもあるため、慎重に利用するサービスを検討することが大切です。

2、導入事例付き社内SNSツール5選

それではおすすめの社内SNSツールを5つ、実際の企業の導入事例も合わせてご紹介します。

【業務効率化】

業務を効率化するため、エクセルの表などデータを共有できるシステムをメインにした社内SNSです。

〇キントーン

(画像1 キントーン:https://kintone.cybozu.com/jp/

・公式サイト:https://kintone.cybozu.com/jp/
・費用:1ユーザー月額780円~
《特徴》
キントーンは業務に役立つアプリを自由にダウンロードし、社内での日報管理や顧客リスト、案件までもメンバー全員が共有できるツールです。
たとえば総務ならタイムカードや研修受講管理など、その部署に合わせたツールを選択して利用できる機能があります。

もちろんスマホなどのモバイルでも活用できるため、外出先でもスムーズなコミュニケーションを叶えられます。
個々のデータに上司からのフィードバック、部下からの質問を書き込めるコメント機能も用意されていて、相手を指定して送れば通知が届くので、見落とすリスクを抑える効果も期待できます。

導入事例
<サントリーショッピングクラブ>
とにかく情報量が多いので、誰かに何かを伝える時に視覚的に見せられるレポート機能は重要。文章を読んで理解する、というのはコミュニケーションコストが高くなってしまう。
視覚的に見せるために、集計用のExcelシートを作っていたくらい。
その点、ひとつのアプリケーションで集計や絞り込み条件が複数保存でき、データ入力直後からレポートがグラフ見られる点は大きな変化だった。
(引用:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/cases/suntoryshoppingclub.html)<三菱ふそうトラック・バス>
初めにサンプルをつくり、それをいくつかの販売拠点で試しに使ってみました。
これによって、ツールの使いやすや悪さが見えました。
そして、そこからカスタマイズ開発を加えた改修をすることができました。
営業スタッフが使いやすいものを導入したいという意思が強かったものですから、試してみて非常に良かったと思っています。
(引用:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/cases/mitsubishifuso.html

〇チャットワーク

(画像2:http://www.chatwork.com/kddi/
・サイト:http://www.chatwork.com/kddi/
・費用:1ユーザー月額800円
《特徴》
チャットワークはチャット機能、ビデオ通話、音声通話、タスク管理にファイル共有が基本機能のツールです。
パソコンやタブレット、スマホからも円滑なチャットができ、スムーズに相手との連絡がとれます。
また、ビデオ通話も用意されている社内のみだけでなく、ほかの企業とのやり取りに活用している企業が半数を超えており、広い範囲でのグループ内コミュニケーションを実践できるのです。
専用URLや外部SNS制限など、大企業でも導入しやすい強固なセキュリティも用意されています。

導入実例
<株式会社グリー>
普段使い慣れているチャットツールと同等かそれ以上の機能を有していることに加えて、エンタープライズITならではの機能性や管理機能を備えたツールはそれほど多くないと思います。
社内のコミュニケーションでメールを使っている会社であれば、チャットワークを導入するだけで、社内のメール処理件数は劇的に減ると思いますし、業務スピードも劇的に改善すると思います。
そういう意味で、チャットワークは弊社の業務スピードを維持するために欠かせない社内ツールとなっています。(引用:https://go.chatwork.com/ja/case/gree.html

【社内コミュニケーション】
次にコミュニケーションに特化したツールを2つご紹介します。

〇&LIFE

・公式サイト:http://syarala.jp/service/
・費用:月額2万円~
《特徴》
社内の部署毎の活動や、社員のオフの様子等の情報をみんなで共有する事が出来る社内SNS。 社員の初期プロフィールを反映させた状態で開始することが出来、また企業ごとに使い方を提案する専門の担当者がつくサポート体制があるため導入しやすいシステムです。 利用状況を管理し更新していない人にアラートを出せたり、更新した記事をピックアップして紙の社内報として出力できる便利なサービスもあります。 専用アプリとWebで見ることが出来ます。写真を中心にしたデザインがスマートで、見やすい画面になっているのも魅力。

導入実例
<株式会社みらいオフィス>
同じ部署内での中は良いのですが、近くで働く他の部署の仕事・メンバーの事などは良く知らないまま働いていました。ですが、&Lifeを導入してから、「あの人こんな趣味があったんだ」と知らなかった一面を知る事が出来たり、「あの部署ではこんな取り組みがされていたのか!良いアイデアだからうちの部署でもやってみよう」等、部署間での良い刺激にもなっています。共通の話題も増えることで、社内でのコミュニケーションも活発になりましたね。

〇トークノート

(画像3:https://talknote.com/product/index.php
・公式サイト:https://talknote.com/
・費用:1ユーザー980円~
《特徴》
社内のコミュニケーションの促進を重視しており、個人・グループ内でのメッセージのやりとりができます。
私たちになじみがあるLINEと同様に、「既読/未読」がわかる機能も導入されており、TwitterやFacebookのようなスタンプ、イイネ!ボタンもあります。
そのため、業務用だけでなくもっとラフなやり取りも行え、幅広い使い方ができる社内SNSなのです。

また、トークノートの機能の中でも特筆したいのは、アクセス時間帯やコミュニケーションの量を解析するツールが入っていること。
どの時間帯が活発にコミュニケーションをとられているのか、またアクセス異常値の社員があれば知らせが入るなど、社内のコミュニケーション管理の手間をなくせるツールです。

導入実例
<株式会社ムソウ>
事業部内での結束力は高いのですが、異なる事業部同士の連携はほとんどありませんでした。あと、在宅勤務のメンバーも多いので、従業員とのコミュニケーションも課題としてあがっていました。ですがTalknoteを導入し「業務日誌」「部署」「部活」という3つの考え方のグループで運用を始めた所今では、休憩時間にも必ず見るようになり、情報共有の量は明らかに増えました。
(引用:https://talknote.com/case/index.php?num=006

【社内報】

〇solanowaソラノワ

(画像4ソラノワ:http://solanowa.jp/

サイト:http://solanowa.jp/
費用:スタンダード月額52,500円、プロ84,000円
《特徴》
ソラノワは社内報を手軽に作り、社員への共有ができるツールです。
方法はブラウザからアクセスし、内容を書いて保存するだけという手軽さで、原稿を公開するまでがスピーディーに行えます。
ワード感覚で編集もできるため、誰でも簡単に社内報を編集できるシステムになっているのが支持される理由。
アクセス解析やアンケートフォームもあり、単純に社内報を閲覧するだけでなく見る側とのコミュニケーションツールにもなります。
また、クラウドサービスのため拠点が離れていても、いつでも場所を問わずに利用できるため、紙の社内報との組み合わせて幅広い人に読んでもらえる社内報が作れます。

導入実例
<I・ODATA>
まず第一に、リアルタイムに情報が更新できる点です。それと、運用担当者の作業負荷低減も大きいです。
このような一対多のコミュニケーションメディアの更新、改修などの運営管理を一人で担当できるというのは驚きです。
もちろん開発費用のコスト面でのメリットも大きいです。
「Solanowa」というパッケージに、こちらが希望していた会員管理の機能が全て搭載されていて、かつ低コストで導入できました。月々のメンテナンス費用も発生していないので、コスト面では破格の値段だったと思います。
(引用:http://solanowa.jp/case-studies/iodata/

・その他

ほかにも社内SNSはさまざまなシステムが発表されています。
興味のある方はぜひこちらの紹介サイトもチェックしてみてください。

https://boxil.jp/enterprise_sns/a236

3、失敗事例とその理由

社内SNSは導入しやすい反面、失敗もするリスクがあるツールでもあります。
具体的にはどんなことが原因で、社内SNSが浸透しない恐れがあるのでしょうか?
まずは失敗例を2つ見ていきましょう。

〇失敗例①

従来メールやグループウェアでコミュニケーションをとってきた企業。
ソーシャルを推進する役員を中心に、仕事への所感やプライベートの行事まで活発な書き込みが行われていました。
しかし、上層部が積極的に社内SNSを使っていたのに、一般社員には思うように浸透しなかったのです。
結局半年もしないうちに、一般社員の投稿数は激減し盛り上がりを見せないままです。

〇失敗例②

もともと全国の店舗スタッフと経営陣が手軽にコミュニケーションをとるために導入した社内SNS。
現場スタッフが顧客への対応で自身が思ったことなど、業務に関する所感を投稿していました。
しかし、企業の社長がある日ストレートに「○○店の売り上げが落ちたのは、○○が原因ではないか」と、特定の店舗や人物への指摘をコメントしてしまったのです。
その結果、社内SNSの参加率は低下していきました。

このように、2社とも役員が積極的に導入を進めていたにも関わらず、社員に浸透しない例がいくつもあります。
どうして問題が起きるのか、導入に失敗する共通点とその解決策を見ていきましょう。

〇社内SNSが失敗する共通点と解決策

・ツールを社員全体に浸透させる体制ができていない

初めて社内SNSを導入した後は、社員全員がどのように運用するのかシステムを理解する必要があります。
しかし、システムを理解するための相談場所を設けていないと、従来のやり方から抜け出せず社内に浸透しない原因になるのです。
そのため、まずは社内SNSを導入するにあたって、システムを理解している社員を用意しまわりへのアドバイスができる環境を整えておきましょう。
また、ツールによっては知識が豊富なコンサルタントと無料相談を実施しているところも。
疑問点をそのままにせず、解決できる相談先や協力体制を用意するのが大切です。

・どんな使い方をするのか明確に決まっていない

社内SNSを使って、どうなりたいのか、どのような問題を解決したいのか、ゴールを決めておくことで運用方法も明確になります。
特に先ほど紹介した失敗例①のように、SNSの目的を定めず業務と関係ないプライベートな情報まで投稿されてしまうと、それは業務に関係のないものだとみなされ利用者も減ってしまいます。

だからこそ、社内SNSを使うのはプロジェクトのデータの共有、社員のタイムスケジュール管理、社員のプロフィール管理、社内報的は役割など、はっきりとした具体的なイメージを持つことで、余計な投稿がなくなり業務の効率化を目指したり、社内を明るくするためのポジティブな投稿が増えたりと、企業に合った使い方が出来るようになります。

・報告しても上司からのフィードバックがない

一般社員が上司への質問やデータを送っても、肝心の報告後のフィードバックがなければ社内SNSが活性化しません。
そこで、報告のための社内SNSとしてだけでなく、自動で情報共有がなされるツールを利用するのがおすすめです。
たとえば顧客ごとに管理した顧客管理を導入し、その担当営業がコメントすれば上司がチェックする、という業務と絡めた方法だと自然と情報共有しやすく無駄がありません。

また、自分宛のメッセージだとすぐに気づけるように、パソコンやスマホに通知が入る個人向けチャットのようなシステムをつけると、メッセージの見逃しのリスクが最小限になります。

4、まとめ

社内SNSは広がりを見せつつも、実際に活用されている割合は20%以下と、成功させるにはいろいろな工夫が必要です。
何のために社内SNSを導入するのか、導入した結果どうなりたいのか、こうした明確な目的意識を持つことで無駄がなく必要な情報が飛び交うツールとして活躍していくでしょう。
今回ご紹介したツール以外にも、無料で利用できるところも存在するのでまずは社内の目的に合った社内SNSを慎重に探していきましょう。