【意味のある社員旅行って!?】思わず参加したくなる事例5選!

コミュニケーション

「社員旅行」と言えば、ひとむかし前までは、観光地を巡ったり、温泉地で宴会をしたりというイメージがありました。
最近では、ベンチャー企業を中心に、新しい感性の「社員旅行」の企画が増えており、社内活性化の有効な一手として見直されています。

この記事では、「社員旅行をする目的」「成功ポイント」「他社の成功事例」などを抑えながら、「本当に意味がある社内イベントとは?」を考えていきます。

1.半分近くの会社が「社員旅行」をしている理由とは?
2.社員旅行を成功させる5つの重要ポイント
 2-1.【ポイント1】参加者が魅力を感じる行き先を選ぶ
 2-2.【ポイント2】︎強制参加にしないこと
 2-3.【ポイント3】女性社員への配慮をする
 2-4.【ポイント4】会社からの十分なバックアップ
 2-5.【ポイント5】みんなの意見を聞きすぎない
3.こんな社員旅行なら参加したい!成功事例5選
4.社員旅行を計画するための6つのSTEP
5.社員旅行以外でも出来る「社内活性化イベント」いろいろ
6.まとめ

1.半分近くの会社が「社員旅行」をしている理由とは?

最近の社員旅行の傾向を知るためのデータとしては、産労総合研究所が会員企業(約)2000社を対象に行った調査が参考になります。「2014年 社内イベント・社員旅行等に関する調査」によると、社員旅行を実施していると回答した企業は全体の46%。半分近くという高い割合で社員旅行が行われています。

ちなみに、この実施率は近年激しく変動しています。この調査の10年前の1994年には88.6%が社員旅行を実施。その後、リーマンショックを経た2004年に36.5%まで落ち込み、再び見直されています。

なぜ、多くの国内企業は社員旅行を実施し続けるのでしょうか?アンケート回答企業が「社員旅行を含む社内イベントの目的」として挙げた項目と割合は次の通りです。

・コミュニケーションの促進 60.3%
・部門を超えた横のコミュニケーション活性化 81.8%
・上下関係におけるコミュニケーション活性化 46.3%
・若手の人材育成の場となっている 21.5%

この結果から、多くの企業にとって社員旅行の一番の目的は「社内コミュニケーションの活性化」であることがわかります。加えて、一般的に言われている社員旅行のメリットとしては次のようなものが挙げられます。

・団結力や一体感の醸成
・社員のモチベーションアップ
・理念やビジョンの共有の場として利用

2.社員旅行を成功させる5つの重要ポイント

会社側の視点で見ると、社員旅行の一番の目的は「社内コミュニケーション活性化」と明確です。

しかし、社員側の視点になると途端に目的があいまいになります。「リフレッシュになる」「部署の垣根を越えて話せる」といったメリットがよく言われていますが、実際にはなかなか共感が得られない面もあるようです。

ネットを覗くと社員旅行に抵抗を持つ人が相当数いることがよく分かるでしょう。
2014年gooランキング発表の「実は迷惑な社内行事ランキング」では社員旅行が1位。また「社員旅行」というキーワードで検索をすると、「社員旅行に行きたくない」「社員旅行は嫌だ」という書き込みであふれています。
突き詰めていくと、このネガティブなコメントにも原因があります。この原因をクリアにすることが、「社員旅行を成功させる近道」とも言えます。ネガティブな意見を参考にしつつ、5つの成功ポイントをまとめてみました。

※尚、文中に出てくるコメントは、YOMIURI ONLINEの「発言小町(http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2017/0614/807853.htm)」より引用

2-1.【ポイント1】参加者が魅力を感じる行き先を選ぶ

行き先に対する不満はかなり多いです。例えば「行ったことのある場所なので正直行きたくないです」「無料でも行きたくないわー」といった具合です。
ですが、行き先に魅力があれば、参加率も満足度もグッと上がるでしょう。

ゼロベースから探すのも良いですが、旅行会社などを使って効率的に行うことをオススメします。というのも、大手旅行会社などは社員旅行の実績も多く、目的や要望を伝えるだけで旅行プランを提案してくれます。
どんな行き先が人気なのか、詳しく知りたい方は「社員旅行net」を参考にしてみて下さい。
http://www.syain-ryokou.com/topic/archives/119

2-2.【ポイント2】︎強制参加にしないこと

「何でプライベートな時間を会社関係者とベッタリ一緒に過ごさなきゃならないのか」というコメントに代表されるように、会社の人たちと一緒に過ごす苦痛を訴える声も多いです。

この不満に応える策としては、「希望者のみの参加」にすることです。
実際に前項で紹介した企業アンケートでも、社員旅行に参加している社員の割合は全体の60.5%にとどまっており、「社員旅行=強制参加」の雰囲気は薄れているようです。

2-3.【ポイント3】女性社員への配慮をする

社員旅行に対して不満を寄せるのは、女性が多い印象を受けます。
「女なんだからもてなすのが当然っていう勘違いジジイが許せない」という辛辣なコメントに代表されるように、宴会の際のストレスを訴える女性社員が目立ちます。

また、大浴場で同僚に裸を見られることに抵抗がある、大部屋が嫌だという意見もあります。
女性社員の不満の全てを解消するのは難しいかもしれませんが、経営層や幹事が細かく目配りすべきでしょう。

2-4【ポイント4】会社からの十分なバックアップ

「自分なら、休日手当もつかないし絶対に行かないです」といった意見があるように、会社のバックアップのない社員旅行はウケが悪いです。
その為、社員旅行を有給や休暇でなく、出社扱いにするといった配慮をする会社もあります。

加えて、社員旅行にかかる参加費に対して、十分な補助をするのがオススメです。では、具体的にどれくらいの補助をすべきか?
ですが、前項で紹介した産労総合研究所の2000企業調査では、会社の費用の補助率は84.4パーセント。
社員一人当たりの年間補助額は1万2,365円となっています(ただし、社員旅行を含めたイベント全体の補助額)。

2-5【ポイント5】みんなの意見を聞きすぎない

事前アンケートを通して「行き先の要望をみんなに聞くのが大事」な反面、「みんなの意見を聞きすぎないことも大切」です。
すべてのメンバーの要望に応える社員旅行を企画するのは現実的に不可能です。みんなの意見に耳を傾けつつも、幹事として目的との整合性を意識して様々な決断をすることが重要です。

ここで解説した5つのポイントを踏まえても、社員旅行の成功イメージがわかないという方は、この記事内の「5.社員旅行以外でも出来る 社内活性化イベントいろいろ」をご参照頂くことをオススメします。
社員旅行というのは、「社内活性化」のひとつの策でしかありません。他の選択肢と、費用、手間、メリット・デメリットを比較しながら「本当に社員旅行がベストな選択か」を考えると良いでしょう。

3.こんな社員旅行なら参加したい!成功事例5選

ここで紹介するのは、企画力あふれる社員旅行です。インパクトのある面白い社員旅行を実施すると、メディアや他企業から注目されPR 効果が高まるというメリットも得られます。

事例その1.「チャンバラ合戦」社員旅行

https://tyanbara.org/record/201601076071/
コンサルティングファームを展開するアタックスグループの社員旅行。
チャンバラでチームの勝ち負けを争う内容、と言うと遊びメインの企画のように感じられるかもしれませんが、チームワーク・士気・作戦・コミュニケーションなどが総合的に鍛えられる知的なゲームです。

舞台は名古屋駅近くの明治村で、約100万平方メートルの広大な敷地に67件の歴史的建築物を移築した人気スポットです。
幹事目線でのこの社員旅行の大きなメリットは、屋内で完結するため「天候に左右されない」という点。「チャンバラ合戦」社員旅行の天気の行方が気になる…というストレスと無縁で済みます。

 

事例その2.「エクストリーム」社員旅行

http://www.mapfan.com/kankou/area/tokushu/x_travel/
「業務が多忙で社員旅行に行く暇がない…」
「365日24時間の顧客サポートで休みがつくれない…」
そんな会社の参考になるのが、地図サービスを提供するインクリメントピーの「エクストリーム」社員旅行です。
「エクストリーム=極限」が示す通り、時間を極限まで活用した体育会系な企画です。

スケジュールは、就業後の平日夜に出発、目的地の宿で一泊し、「翌朝9時には通常通り出社」するという強行軍です。
旅行先に設定されたのは三浦半島の三崎港。東京都内から京浜急行でスムーズにアクセスできます。
宴会は宿泊所近くの居酒屋で遅めのスタート。
翌日は朝6時から三崎港周辺を観光し、出社時間までには都内へ。実施後の参加者アンケートでは、全員が「満足」または「やや満足」と回答し、満足度の高い企画となりました。

 

事例その3.「ロボットコンテスト」社員旅行

http://ch.nicovideo.jp/tks/blomaga/ar1079698
メディア注目度の高い人気企業チームラボの社員旅行はどんな企画でしょうか?
彼らが2016年に夏に企画したのは、旅行中に「ロボットコンテスト」を行うというものです。1チーム8人のメンバーで、カンタンな材料(モーター、竹ひご、輪ゴム等)だけを用いてロボットを制作。
さらにこのロボットを使って、予め決められた内容のゲームで得点を競います。企画を考えたのは若手社員。社員旅行への参加は自由で、参加率は3〜4割(400名中150名程度)となりました。

 

事例その4.「無人島」社員旅行

http://www.satoru-hiraoka.com/2016/07/17/article160717/
企画したのはwebサイト制作の「ものさす」。行き先はサンゴ礁の美しさで知られる沖縄県・座間味島で、2泊3日のうち、1泊目は無人島でテント泊、2泊目はペンション泊というスケジュールです。

1泊目のテント泊では、テントを張る、食材を調理する、足りないものを手作りするといった作業を通して「協力する大切さ」をみんなで再認識。
2泊目のペンション泊では、スキューバ、シュノーケリング、サイクリングなどのアクティビティーをそれぞれが自由に楽しみました。

この社員旅行のコンセプトは「みんなが主役。」サービスを受ける側でなく、社員旅行を一人ひとりがつくりあげることを目指したそうです。
実施前は一部の社員からは不満の声もあったようですが、最終的に満足度の高いイベントになりました。

 

事例その5.「古民家」社員旅行

http://www.satoru-hiraoka.com/2016/07/17/article160717/
webマーケティングのセンタードが企画。宿泊場所は、標高1150メートルに位置する人里離れた大平宿です。
水道は通っているものの、現在は廃村になっています。この地にある古民家で、昔ながらの生活をリアルに体験しました。
「古民家」社員旅行の目標のひとつは、社内コミュニケーションの活性化。そのため部署ごとではなく、ランダムにチームを編成しているとのことでした。

4.社員旅行を計画するための6つのSTEP

社員旅行をするまでの流れをイメージしたい方は、実施までのSTEPを確認しておくのがオススメです。社員旅行の計画〜実施までの大まかな流れは次の通りです。

ステップ①:目的(テーマ)をしっかり決める
社員旅行の目的をしっかりプランニングします。ここで決めた目的を達成するために社員旅行をすることを常に意識しましょう。

ステップ②:予算・日程・参加人数をおおまかに決める
いきなり社員全員に希望を聞いてもまとまらないので、まずは「予算・日程・参加人数」をある程度、固めましょう。合わせて、社内アンケートの実施や(以前も実施したことがあれば)前任の幹事のヒアリングなどの情報収集を早めに行うのがオススメです。
※社内アンケートを次のステップ③の後に行う会社もあります。

ステップ③:見積もり依頼〜プラン決定
旅行会社や企画会社が提案してきたプランを検討します。一社だけでなく複数社からの提案があると比較検討しやすいです。

ステップ④:行き先やプランの告知
社内コミュニケーションツールやメールを通して、行き先やプランを告知し、最終的な出欠を確認します。不明点があったときに問い合わせるよう、幹事のメールアドレス等をみんなにお知らせしておくのがオススメです。

ステップ⑤:社員旅行の実施
社員旅行の直前〜当日は、幹事がやるべきタスクが膨大にあります。例えば、代金支払い、宴会準備、班割り、関係者への連絡…。これらのタスクをスムーズに消化するには一人で抱えすぎないことも大事。他の幹事メンバーに振ったり、参加者に任せるべき所はお願いしたりして負担を軽減しましょう。

ステップ⑥:参加者アンケートを基にした振り返り
実施後は参加者アンケートを実施することをオススメします。その結果を幹事メンバー・上司・経営層としっかり共有することで、「目的は達成できたか」「来年の社員旅行はどうすべきか」などの課題が検証できます。

5.社員旅行以外でも出来る「社内活性化イベント」いろいろ

ここまで社員旅行について解説してきましたが、大切なことは「社員旅行をすること」ではなく「目的の達成」です。
その意味では、社員旅行にこだわりすぎず、他の社内イベントも視野に入れるのがオススメです。メリット・デメリットや費用面を比較ながら御社にとってベストな選択をしてください。

5-1.日帰りバスツアー
〔メリット〕
・社員旅行に近い企画のため、代替案にしやすい。
〔デメリット〕
・宴会がない分、連帯感の醸成という意味では社員旅行に劣る。
〔費用例〕
山中湖でカヌー体験
一人あたり11,800円〜 ※東京発で40〜45名様の場合
詳しくはプラネットアース(http://www.ginzaplanet.co.jp/

 

5-2.河原でBBQ
〔メリット〕
・協力しながら作業することで連帯意識が高まる。
・日中に出来るので家庭のある従業員にも負担が少ない。(家族参加にしやすい)。
〔デメリット〕
・ 雨天だと中止になる(屋根付きの会場もあり)。
〔費用例〕
一人あたり500円(会場利用料) ※その他、アイテムレンタル費、食材費などが必要
詳しくは川崎市多摩川緑地バーベキュー広場(https://www.tamagawa-bbq-area.com/use

 

5-3.クルージング
〔メリット〕
・非日常な空間でのワクワク感。費用が少ない割にラグジュアリー感を感じられる。
〔デメリット〕
・毎年開催するとなるとマンネリ化しやすい。
〔費用例〕一人あたり7,000円〜
詳しくはアニバーサリークルーズ(https://www.anniversary-cruise.com/

 

5-4.花見
〔メリット〕
・シートと飲み物、おつまみくらいの準備で済む。ローコスト。
〔デメリット〕
・単なる飲み会の雰囲気になってしまいやすい。仲が良い人同士が固まってしまいやすい。
〔費用例〕一人あたり2,000円等 ※つまみ、飲み物の実費のみ

 

5-5.運動会
〔メリット〕
・ カラダを動かすことでリフレッシュできる。
・ 種目によってチーム編成を変えることで、様々な軸で社内コミュニケーションを活性化できる。
〔デメリット〕
・ たくさんの備品が必要で準備に時間がかかる。
・ 係の設定や進行などイベント運営のスキルが必要。
※運動会専門の会社にお願いすることでこれらのデメリットは解消される。
〔費用例〕一人あたり7,000〜11,000円
詳しくは運動会屋(http://www.udkya.com/

6.まとめ

この記事の「成功事例5選」で紹介したように、一言で社員旅行といっても様々な企画が考えられます。旧来の社員旅行の枠にとらわれず自由に発想してみましょう。
「今回のテーマや目的を達成するにはどんな企画がいいか?」を追及していくことで、自社らしいオリジナルな社員旅行を実現してください。