【成功事例付】社内掲示板のスタートアップを完全マスター!円滑な情報共有を実現しよう

コミュニケーション

社内コミュニケーションのさまざまなツールが開発されている昨今ですが、昭和の時代から続く「社内掲示板」を採用し続ける企業は少なくありません。
最近では、大型ディスプレイやWEBなどの新しい技術を使った社内掲示板も登場しています。

ここでは、これから社内掲示板を立ち上げたい、あるいは、よりたくさんの従業員に読まれる社内掲示板にしたいという企業に役立つ情報をお届けします。
前半は「社内掲示板の活用事例」、後半は「社内掲示板の具体的な運営方法」をテーマに解説していきます。

目次
1.【比較】アナログ・デジタル社内掲示版事例集
1-1.アナログタイプの社内掲示板
1-2.デジタルタイプの社内掲示板
1-3. 両タイプのメリットの比較
2. 社内掲示板のコンテンツ作成ポイント
2-1. 誰がコンテンツをつくるのか?
2-2. どんなコンテンツにするのか?
3. 社内掲示板を運営する上で注意したいこと
4. まとめ

1.【比較】アナログ・デジタル社内掲示版事例集

社内掲示板は、壁にボードを設置してそこに紙を貼る「アナログタイプ」と、大型ディスプレイやWEBで情報配信する「デジタルタイプ」に大別されます。
他社事例を参考にしながら、どちらが貴社に合うかを考えてみましょう。

1-1.アナログタイプの社内掲示板

○事例1 手作り感いっぱい!スタジオジブリの社内掲示板

参考:ツイナビ
http://twinavi.jp/topics/tidbits/577cf952-8a58-4335-ad5d-23605546ec81

はじめに紹介するのは、『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』などの制作を手がけたスタジオジブリの社内掲示板です。
2016年に六本木ヒルズで開催のイベント『ジブリの大博覧会』の中で“社内の雰囲気を味わうための企画”として忠実に再現されたものです。
スタジオジブリの社内掲示板は、イベント告知が中心。BBQ大会、大忘年会、尻相撲選手権、山形の食を楽しもう会など楽しそうな企画が目白押し。
活気あふれる当時の社内の雰囲気を感じますね。
社内掲示板をつくる予定の会社は、イベントの企画も合わせて考えるのもよいかもしれませんね。

 

○事例2 社内活動の様子を伝える!フロンティアワークスの社内掲示板

参考:リクナビNEXT
https://next.rikunabi.com/goodaction2015/

リクナビNEXT主催の『グッド・アクション』という賞に選出されたフロンティアワークスの社内掲示板。
『グッド・アクション』は、従業員のモチベーションを上げる社内企画に贈られる賞。
音楽や映像の事業を展開するフロンティアワークスでは、会社の急成長に伴い、職場環境の悪化や経営陣と従業員の距離感という問題が発生。それを解決するために社員有志で立ち上げた『わくわくプロジェクト』の模様を社内掲示板で発信しています。

 

○事例3 業務改善策を紹介!ウエーブの社内掲示板

参考:ネット印刷のウエーブ
https://www.wave-inc.co.jp/weblog/?p=1899

社内掲示板を通して“業務改善の啓蒙”をするパターンもあります。
ネット印刷の大手ウエーブでは社内から業務改善のアイデアを募り、優秀作を社内掲示板で紹介しています。
もしこれが表彰だけで終わっていたら社内で共有しにくいですし、社内報での紹介だったら一過性で終わってしまいます。みんなの目に何度も触れる社内掲示板だから浸透しやすいですね。

 

○事例4 お客様の声を紹介!プロズハックスの社内掲示板

参考:プロズハックス
goo.gl/YHGkS4

こちらは“お客様の声”にフォーカスした社内掲示板です。
プロズハックスは、オリジナルデザインの車検証入れをつくる会社。お客様からの感謝の声を社内掲示板で発信しています。この会社で工夫しているのは、お客様の声と納品した車検証入れの画像を組み合わせて掲示しているところで、それによって、「自分が担当したお客様の声が掲示されている!」と担当者が気づきやすくなり、足を止めるきっかけになります。
カラフルな画像がアクセントになって、見た目にも楽しい雰囲気になっていますね。

 

○事例5 忘れがちな仕事の基本を紹介!ハートコールの社内掲示板

参考:ハートコール
http://www.heart-c.jp/company_event/in_company_scenery

保険商品のコールセンターを運営するハートコールの社内掲示板です。電話をかけるときの姿勢の良い例と悪い例が、写真入りでわかりやすく解説されています。
こういった仕事の基本は新人研修でも教わりますが意外と忘れがちですよね。社内掲示板を貼り出し、いつでも見られる状態にしておくことで意識しやすくなります。

1-2.デジタルタイプの社内掲示板

デジタルタイプの社内掲示板には、「オフィスサイネージ」と「WEB」の2種類があります。それぞれの特徴と事例を見ていきましょう。

1-2-1. オフィスサイネージの社内掲示板
社内に大型ディスプレイを設置して、そこにコンテンツを流すという仕組みです。最近は、駅構内や店内の大型ディスプレイに広告を流すデジタルサイネージが増えていますが、これを社内掲示板に転用したものです。
登場したばかりの2010年前後は導入コストが問題になりましたが、最近ではディスプレイの価格が下がっているため導入しやすい環境が整ってきました。

○事例6 多用途に使える!山角興業の社内掲示板

参考:山角興業
http://yamazumi.co.jp/digital/
上の写真がオフィスサイネージ導入前、下の写真が導入後の模様です。社内コミュニケーションが劇的に変わったことが分かりますね。
ガス工事や土木工事を手がけている山角興業では本社内のオフィススペース、会議室、休憩室にオフィスサイネージを設置。
業務伝達、安全教育、健康管理、シフト表など多用途に活用されています。

○事例7 約1万人をカバーする!NTT東日本(東京支店)の社内掲示板

参照:ITmediaエンタープライズ
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/1211/27/news008.html

従業員約1万人、90拠点を抱えるNTT東日本・東京支店では、オフィスサイネージを計400台設置。
配信されるコンテンツ数は1日70件にも及ぶそうです。時間帯に合わせて流すコンテンツの内容を変えるという工夫をしており、朝はミーティングに関連した記事、昼はランチタイムに気軽に見られる記事が主体になっています。

○事例8 広いオフィスでも存在感!ドームの社内掲示板

参照:pdc
https://www.pdc-ds.com/works/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%A0

アスリート向けブランド、アンダーアーマーを展開するドーム。
3〜5階のオフィススペースには、超巨大な「220インチの16面マルチディスプレイ」を設置して社内掲示板の機能をもたせています。
このディスプレイには社内情報に加えて、支援しているアスリートに関する記事も流されています。

1-2-2.WEBサイトの社内掲示板
webサイト上に社内掲示板を構築し、PC、タブレット、スマホなどで閲覧するタイプの社内掲示板もあります。

○事例9 世界20数カ国で情報共有!国際石油開帝石の社内掲示板

参照:AvePOINT(R)導入事例
https://www.avepoint.co.jp/assets/pdf/case_study/INPEX_Case_study.pdf

石油や天然ガスなどの分野でグローバル展開する国際石油開帝石では、「国内・海外の垣根を越えたコミュニケーションの活性化」を目的に社内サイトを構築。
その中の機能として社内掲示板が設けられています。英語・日本語の切り替えができる他、表示したいカテゴリーをユーザーが編集できるといった機能を備えています。

○事例10 WEBとサイネージのミックス型!JXグループの社内掲示板

参照:pdc
https://www.pdc-ds.com/works/jx%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97
エネルギーや資源分野のJXグループの社内掲示板は、WEBとオフィスサイネージのミックス型。
グループウェア上の社内掲示板に表示されている内容を、オフィスサイネージ(43型ディスプレイ)でも流すことで周知を高めています。
主なコンテンツは、従業員への広報と総務部門からの情報発信などです。

1-3. 両タイプのメリットの比較

ここまで紹介してきた「アナログタイプ」「デジタルタイプ(オフィスサイネージorWEB)」それぞれのメリットをまとめました。
貴社に合った方を選んでください。

○アナログタイプのメリット
・ボードさえあればすぐに始められる。導入コストが安い。
・手書きタイトルなどで温かい雰囲気が演出できる。
・ネットが苦手な方でも見られる。

こういったメリットがある一方で、「リアルタイムで内容を入れ替えるのが難しい」「拠点が多いと情報が共有しにくい」などのデメリットがあります。


○デジタルタイプのメリット

・支店や営業所が多い会社でも一斉配信できる。
・過去の情報がストックできる。
・タブレットやスマホなどで移動中に閲覧できる(WEBのみ)。

デジタルタイプのデメリットは、システム設計やモニター・オフィスサイネージ購入の費用がかかることです。

たとえば、たくさんの情報を発信したい・複数の場所に発信したい場合はデジタルタイプのほうが圧倒的に向いています。
反対に、この会社の一員として忘れないで欲しい目標や仕事の姿勢、懇親会や入社したばかりの社員の紹介など、長期的に掲載するコンテンツが多いのであれば、デジタルである必要もなく、アナログな掲示板のほうが温かみもあるでしょう。

あなたが社内で発信したいことを考えて、選んでみてください。

2. 社内掲示板のコンテンツ作成ポイント

社内掲示板を立ち上げる時やリニューアルする時は、「掲示するコンテンツを誰がつくるのか?どんなコンテンツにするのか?」という視点も重要です。

2-1. 誰がコンテンツをつくるのか?

企画部、広報部、営業部など様々な部署の従業員が社内掲示板の担当をしています。しかし、その大半が他の業務との兼務になっています。
限られた時間で社内掲示板を運用していくには“他の従業員の力を借りる”ことも大切です。

例えば、事例で紹介したNTT東日本・東京支店の運用方法が参考になります。社内掲示板の管理は数名の担当者が行っているものの、コンテンツ制作は各部署から選抜された約180名が配信しています。
このように管理する人と、コンテンツをつくる人を分けて考えれば、他業務との兼務でもスムーズに運用できます。

2-2. どんなコンテンツにするのか?

社内掲示板のコンテンツのテーマは次の4つに分類されます。

・タテのつながりのためのテーマ
経営層から伝えたいこと(経営課題や目標など)を掲示します。重要なテーマを共有することで組織としての一体感をつくるのが目的です。

・ヨコのつながりのためのテーマ
みんなで共有したい社内活性化のアイデア、各部署の最近の活動、社内外から表彰された従業員のことなどをお知らせします。アイデアを共有することで全社的な業務改善につながったり、他部署から刺激を受けてモチベーションアップにつながったりすることが期待できます。

・コミュニティのためのテーマ
クラブ活動、イベント、結婚などの情報を掲示します。みんなのプライベートを垣間見ることで親近感が生まれます。またイベントを常に目に触れる場所に掲示することで参加率を高める効果もあります。

・その他
健康診断、提出書類、仕事の基本などの情報を掲示して、意識しやすい環境をつくります。また、掲示板の一部をシフト表に利用する企業もあります。

これらの4つの情報すべてをカバーする必要はありません。それぞれの会社の“社内掲示板をつくる目的”に合わせてテーマを設定してください。例えば、親近感を重視するのであれば、「コミュニティのためのテーマ」を中心にして掲示板をつくるといった考え方もできます。
あるいは、新年明けなので今月は社長のメッセージ主体、来月は社内活性化アイデアの発表といった具合に、定期的に方向性を変えるという手もあります。

3. 社内掲示板を運営する上で注意したいこと

社内掲示板は、コミュニケーションを円滑にするのに有効ですが、使い方次第では次のような問題が起こる可能性もあります。運用の際は注意してください。

・担当者の自己満足に陥りやすい
社内掲示板は一方的な情報発信が基本のため、本当にみんなに読まれているのかが確認しづらいツールといえます。担当者の自己満足に陥らないよう、社内アンケートを定期的にとって、「どれくらい見られているか」「どんな内容の掲示が望まれているか」を把握し、改善していく努力が求められます。

・手入れが悪いとイメージダウンになる
社内掲示板は、人通りの多い場所に掲示しないと効果が薄い為、お客様や入社希望者の目にも触れやすい場所に置かれることが多くなります。
外から来た人が、内容が更新されていなかったり、掲示物が破れている掲示板を目にしたら会社のイメージダウンに繋がってしまうので、こまめなチェックが必須です。
また従業員が掲示物の写メを撮って、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿する可能性もあります。プライバシーに関わる内容を掲示する時は注意が必要です。

・上からのメッセージばかりだと読まれない
経営陣からの訓示ばかりになると、「みんなに気軽に読んでもらえる」という社内掲示板の魅力が失われてします。例えば、新年や決算後などのタイミングだけ掲載するなどメリハリのある内容にする工夫が求められます。

4. まとめ

社内掲示板は費用対効果が高く(とくにアナログタイプ)、機能すれば有用な社内コミュニケーションツールになります。
使い方次第で可能性が広がるので、前半で紹介した事例を参考にしつつ、貴社らしい社内掲示板の運用にチャレンジしてみてください。