オフィスのDIYは低コストで理想のオフィスを創り出すことが出来る反面、時間や手間がかかり相当大変なのでは…と重い腰が上がらなかったりします。
しかし、DIYはコストの削減というメリットはもちろん、コミュニケーションの活性化や会社への帰属意識を高めることが出来ます。
実際にDIYで理想のオフィスを手に入れた企業のインタビューや、オフィスづくりを行う際に押さえるべきポイントも紹介するので、是非参考にしてみてください。
オフィスをDIYして、社員が快適に過ごせる理想のオフィスを手に入れましょう。
1.オフィスをDIYすることで得られる4つのメリット
2.DIYで自分ごとを広げる?オフィスをDIYした株式会社CRAZYにインタビュー
3.DIYで失敗しないための心構えとポイント
3-1.DIYする際の心構えとは?
3-2.オフィスづくりで押さえるべき2つのポイント
4.まとめ
1.オフィスをDIYすることで得られる4つのメリット
DIY自体のメリットとしては、コスト削減・自分の理想のものを作ることができることがあげられます。
且つ、オフィスを社員でDIYするメリットとして、コミュニケーションの活性化・帰属意識の向上につながります。またこれらのメリットが、社員が主体性を持って働くことにつながります。
DIYで得られるメリットについて、詳しくみていきましょう。
・コミュニケーションの活性化を促す
部署や役職を越えて協力しひとつのモノを作り上げることは、普段の業務ではなかなか味わえない体験です。一緒に作業を行うことで、普段話すことの少ない社員とコミュニケーションをとる交流の場として活用できます。
・オフィスへの愛着を持つことができ、会社への帰属意識が高まる
オフィスづくりに深く関わるからこそ、愛着を持つことができ、また自分が会社の一員であるという帰属意識が高まります。自分がつくったオフィスで仕事をすると、快適且つ楽しく働くことが出来るでしょう。
・コスト削減ができる
業者に内装を依頼するよりもコスト削減ができます。床や壁を張り替える作業や、机等の簡単な家具の製作はプロでなくともできるので、コスト削減に最適でしょう。
株式会社ヒトカラメディア様では、内装業者の見積もりだと310万円かかるところを、DIYをすることで97万円に抑え、約1/3のコストで内装を完成させています。コストを少しでも削減したい会社は、DIYがオススメです。
株式会社ヒトカラメディア様のDIY事例:http://hitokara.co.jp/diy_office_reasons/
・自分の好きなデザイン・欲しい機能をつけることができる
自分で作るということは、自分好みにできるということです。既製品だとデザイン製や機能について、不満を持つこともあると思います。その点、オリジナルのデザインや機能を付けることができるのがDIYの良いところです。
2.DIYで自分ごとを広げる?オフィスをDIYした株式会社CRAZYにインタビュー
実際にオフィスをDIYした株式会社CRAZYさんにお話を伺ってきました!CRAZYが導入した睡眠報酬制度(https://www.crazy.co.jp/news/articles/20181009_airweave_crazy/)はテレビでも取り上げられており、社員の働き方や会社の在り方を追求している企業です。
今回はDIYを行ったきっかけや経緯、『境界線があいまいなオフィス』というコンセプトを決めた背景から、企業文化や環境づくりについて幅広くお話を伺いました。
https://www.crazy.co.jp/company/
事業内容:イベントプロデュース事業、ウェディングプロデュース事業、ケータリングプロデュース事業、地域プロデュース事業
従業員数:70人
住所:東京都墨田区石原1-35-8
企業HP:https://www.crazy.co.jp/
株式会社CRAZYの事業のひとつであるCRAZY WEDDINGのBRANDPRESENTER(営業部門)として、最年少最多契約実績を持つ小守由希子さん。2014年入社。日々CRAZYの価値や想いを伝えています。
―オフィスをDIYしたきっかけや経緯について教えてください。
小守さん:自分たちの働く場所に愛着を持ちたいという思いがありました。オフィスが汚れているのを放っておかないなど、会社自体を大切に扱うところにつながってきます。もう一つは、家族みたいにくつろげる場所、100人全員と顔を見合わせながらご飯を食べれる場所がほしいと思ったときに、なかなかそれに合う場所がなくて。ないなら理想のオフィスを作ってしまおうと思いました。
―10日間業務をストップしてまでDIYに取り組んだ理由は?
小守さん:CRAZYは経営の優先順位というものがあり、優先順位2位の人間関係をつくる時間を、経済的な利益を生むことより優先しています。あとは、みんなで共通体験をすることで会社の文化を全員に分配する機会にしたかったんです。70人のメンバーが一致団結するには、まとまった時間で全員の共通体験が必要でした。その体験が会社としてグッと勢いをあげていく要因になるという確信があったので、業務よりも優先してDIYをしました。
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応接室は5つの部屋があり、ひとつひとつテイストが異なった部屋になっています。壁紙や揃える家具を変えるだけで、雰囲気がガラッと変わるのが分かります。
―DIYをすると決めた時の社員の方々の反応はどうでしたか?
小守さん:DIYは会社で決めたことではなく、ある女性社員が『今年はこのオフィスをみんなでDIYしたい』と手を挙げていってくれたんです。そのことがまず嬉しかったのと、その場をみんなで作ることが楽しそうという2つがあり、会社全体が盛り上がりました。
―実際にDIYを始めるまでの流れはどういった流れでしたか?
小守さん:まずはプロジェクトチームを組みました。そのメンバーたちが、ここだけで決めるのではなく皆でオフィスについて考えようと言ってくれたんです。そこで、社員全員で理想を出し合い、それをプロジェクトメンバーがデザインに反映してくれるという流れでした。
―それぞれのオフィスの理想像を全社員で言い合う中で、意見がぶつかった時にはどうまとめっていきましたか?
小守さん:意見がぶつかることもありましたが、最終的にはこのプロジェクトを担当しているアートチームのメンバーたちが、今回の『曖昧なオフィス』というコンセプトを紡いでくれたことで全員が納得できました。
おしゃれな在籍表。カラーの写真が表だと出勤、モノクロの写真が表だと外出・退勤となっており、出退勤を可視化しています。どの会社でも取り入れることができるアイディアです。
―『境界線があいまいなオフィス』というコンセプトが生まれた背景を教えてください。
小守さん:『曖昧なオフィス』というのは、『生きると働く』『自分と他者』を分けたくないという考えからきています。全部が生きる時間と捉えて仕事を楽しんで行くことで人生も楽しめますし、一つの仲間としてどういう風にやっていくか、境界線を曖昧にしていくと「自分ごと」の範囲が広がっていきます。自分ごとで考えると、もっとオフィスを良くできるんじゃないかと思います。オフィスが生活空間でもあり、仕事場でもあり、人と人の境界線も曖昧になっていくのが、『境界線の曖昧なオフィス』というコンセプトになります。
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存在感抜群の大木がある執務スペース。実際に材木を集めて、手作りで完成させたそうです。フリーアドレス制なので、自分の気分に合わせて働くことができます。
―DIYする際にこだわった場所やポイントはありますか?
小守さん:リビングと呼んでいる小上がりにはこだわりました。アイディアが出やすい場所を作りたいというのと、オフィスだけどくつろげる曖昧な場所を作りたいという思いがありました。また、会社の優先順位として掲げているのが『健康』なので、ご飯を全員で食べれるスペースが絶対ほしいということにもこだわりました。社員全員でご飯を食べるというのを、創業からずっと大切にしているんです。
写真右奥に写るのが、リビングと呼ばれている小上がり。ソファに座って働く社員さんや、ミーティングをしている様子が見受けられました。リラックスしながら働けそうです。
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ホール兼食堂。全社員がお昼になると集まり、顔を見合わせてご飯を食べます。ホールは社外の人を招いたイベントにも使用されているそうです。
―オフィスをつくる上で、コミュニケーションという部分で特別に取り組んだことはありますか。
小守さん:一つは、全員で理想を出し合うことです。自分のアイディアが採用されたり、自分も声を出してこの場を作っていけるんだっていう思いになれたのは、すごく良いコミュニケーションにつながったと思います。もう一つは、製作です。普段の業務ではなかなか関われない人と共同作業をするので、その人の性格を知ることや、共通の達成経験を味わうことができます。毎回決めた目標を達成できたり、できなかったりと嬉しい経験や悔しい経験を一緒に分かち合うことができたことがすごく良かったなと思います。
http://suumo.jp/journal/2016/11/10/120934/
実際の作業風景。毎日違うチームを組み、担当する場所や役割を変えたそうです。適時適所で得意分野を見極めながら、全員が一通りの作業を経験できるように組んだそう。他部署の人との交流のきっかけになります。
―DIYしたことで、社員の方たちの『自分ごと』が広がったと感じていますか?
小守さん:感じています。私も面会の時は自分がDIYをした部屋を使いたいと思いますし、オフィスに人を呼びたくなります。あとは、自分たちで掃除をしているのですが、自分たちで作った作品(オフィス)を綺麗に保ちたいという思いが深まりました。オフィスが無機質なものでなく、仲間と作った作品という温かみのあるものと再定義できました。
―DIYを通して、オフィス内の人間関係は変わりましたか?
小守さん:まずとても過ごしやすくなりました。部署が違う人ともDIYを通して関わりを持てたので、仕事だけじゃなくプライベートの話など色んな話ができるようになりました。DIYという共通体験をしたことで、社員同士がお互いを仕事だけの関係じゃないと実感できたんだと思います。
http://suumo.jp/journal/2016/11/10/120934/
【CRAZYの経営優先順位から学ぶ、コミュニケーション方法】
こちらはCRAZY様の経営の優先順位で、優先度が高い順に①健康 ②人間関係 ③ビジネス ④経済活動となっています。
CRAZY様は、一番に社員が健康に生きることが大事であり、つぎに家族のような人間関係を作ることが大切だと考えております。
そのため、人間関係を扱う時間が多いのもCRAZY様の特徴です。
・シェアの時間(毎日の朝礼の時間:事業部ごと、週に一回:全社員)
上司や若手は関係なく、仕事のことからプライベート、些細な話まで話せるフラットな時間
・チェックイン(会議等)
今どんな気持ちでその場に参加するのか、会議やミーティング前の気持ちを共有する時間
コミュニケーションの取り方として参考にしてみてはいかがでしょうか?
3.DIYで失敗しないための心構えとポイント
DIYをする際に大事なことは、「会社を自分ごとにする」ことです。社員がまるで自分のプライベートの空間にいるように、快適で心地よく働くことのできる空間にするのが、DIYするうえでの一つの鍵となります。
3-1.DIYする際の心構えとは?
DIYをする際にまず大切なことは、
・どんなオフィスにしたいかを一人一人が考える
・全社員が共通意識を持って取り組む
ことの2点があげられます。
1つ目に、「どんなオフィスにしたいかを一人一人が考える」は、自分の働くオフィスがどんな空間であれば快適に働けるか、楽しく働けるかを個人個人で考えることです。
例えば、自分の家を引越しする際に、自分にとって快適な家になるようにたくさん考えますよね。オフィスも同様に、自分にとって快適な空間はどんな空間なのだろうと考えることが大切です。一人一人のオフィスに対する思いが、結果として理想のオフィスをつくる原動力となるのです。
そして2つ目に、「全社員が共通意識を持って取り組む」ことです。一人一人にオフィスを良くしたいという思いを持った段階で、今度はその思いを社員同士で共有することが必要になります。意見を交換する場を設け、社員全員で理想のオフィスについて話し合うことが大切です。その会社で働く社員の働きやすい環境、楽しく働ける環境こそが、その会社のカラーになるのです。
この2つは、ただ快適で楽しい空間をつくるためだけの作業ではありません。
会社に対して主体的に物事を考えることができるようになり、その考えを共有することで社員同士の結束も強くなります。これは当然、業務においても活かされることなので、生産性の向上にもつながるでしょう。
上記2点を達成すると、いよいよどんなオフィスにするのか考える段階に入ります。しかし、その会社ならではのカラーを出したいと思っていても、どのようにDIYすれば良いのか分からなければ実践することは難しいですよね。
それでは、自分の「会社らしさ」を出すために、どのようなことを頭に置いておけばよいのかを紹介します。
3-2.オフィスづくりで押さえるべき2つのポイント
ここでは、オフィスづくりを行う際のポイントを紹介します。この2つのポイントを押さえることがオフィスづくりをする上で大切なことなので、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
①コンセプトを決める
オフィスを作る際に大切なことは、どんな印象のオフィスにしたいのかを明確に持つことです。ここではテーマごとにオフィスを紹介していきます。オフィスのコンセプトの参考にしてみてください。
・温かみのあるオフィス
http://www.frontierconsul.net/service/results/2017-07-11218/
http://designers-office.jp/work/page/index.php?cat=1&type=0&id=139
壁紙や床をフローリングやタイル調に使用したり、植物を多く取り入れることで、温かみのあるオフィスを演出することが出来ます。カフェのような空間になり、居心地の良い温かなオフィスにできます。
https://navi.dropbox.jp/office-design
http://recruit.gmo.jp/recruiting/env/
https://www.shigotoba.net/meet/office/details/46.html
室内を黒や白、寒色系のカラーで統一し、シンプルなオフィス家具を揃えることで、スタイリッシュな印象のオフィスにできます。洗練されたイメージを与えることが出来るので、シンプルでオシャレなオフィスにしたい企業におすすめです。
・エネルギッシュなオフィス
http://www.kokuyo-furniture.co.jp/solution/kenzai/works/21/nttdata_swp_office.html
https://www.mdn.co.jp/di/articles/2609/
赤やオレンジ、黄色のようなビタミンカラーを取り入れることで、オフィス全体が明るくなりエネルギー溢れるオフィスになります。空間の色は人の気分にも大きく影響を与えるので、活気のあるオフィスにできるでしょう。
②社内バーやリフレッシュスペース等、その会社ならではの空間を取り入れる
オフィスは、ただ働くだけのスペースがあればいいというわけではありません。会社のカラーに合った社内バーやカフェ、リフレッシュスペース等を取り入れることが大切です。これも、オフィスにどんな空間があったらモチベーションが上がるのかを社員同士で考え、取り入れてみましょう。
ここでは、実際にDIYで社内バーやリフレッシュスペースなどを作った企業の紹介をしますので、是非参考にしてみてください。
【社内バー】
・株式会社EVERRISE
https://www.ever-rise.co.jp/news/2017-07-26.html
こちらは株式会社EVERRISEの社内バーです。社員数が増えた中で、大人数でのミーティングやイベントが行えるためのスペースの確保、そして働くメンバーがより快適に過ごせる空間づくりを目指しました。木の素材感やレンガの壁が温かみのある空間を演出しています。業務時間内はミーティングや気分転換に働く場として使用し、業務後はお酒を飲みながら親睦を深める一石二鳥の使い方ができるので、オフィスが狭い会社にもおすすめです。
【リフレッシュスペース】
・株式会社ヴェルク
http://tamukai.blog.velc.jp/entry/diy_office_2017
こちらは株式会社ヴェルクのリフレッシュスペースです。緑色のカーペットと木材で作られたパーテーションが、リラックス効果を高めるリフレッシュスペースです。ソファのカラフルな配色が、まるでカフェにいるかのようにオシャレで可愛らしいです。こちらの会社、バースペースもあるのですが、バースペースとリフレッシュスペースがオフィスの半分を占めているそうです。会社にいながらも、リフレッシュしながら自分の気分や仕事に応じて、場所を選びながら作業できるのが良いですね。
【コミュニケーションスペース】
・株式会社リクルート住まいカンパニー
https://cd.zeroin.co.jp/cappy/suumo/
株式会社リクルート住まいカンパニーでは、コミュニケーションスペースを設置しております。こちらのスペースは会議室とは違い、予約なしにふらりと向かうことができ、会話の出来るスペースになっています。ラフに社員同士で意見を交換できるので、よりコミュニケーションの幅が広がります。コミュニケーションを活性化していきたい企業は、業務内でもラフにコミュニケーションがとれるスペースを設けてみてはいかがですか。
4.まとめ
オフィスをDIYすることは、コミュニケーションの活性化や社員が会社に愛着をもつということに繋がります。自分たちの考えや理想を反映したオフィスは、快適に働くということを実現します。是非オフィスをDIYしてみてはいかがでしょうか。